劇場公開日 1963年1月3日

「なぜこの映画を観たのか?」青い山脈(1963) Karimarさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0なぜこの映画を観たのか?

2024年8月4日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

楽しい

同名ヒット曲に映画があることを知らなかった。1960年代製作で90分の丁度よさもありセレクト。ところがドッコイとても練られた映画で爽快感が残った。

主演は吉永小百合。
以前観た「光る海」のように、快活でストレートな物言いと、射るような瞳での演技、とてもノッている感がある。
バイクや自転車をノーヘルでグイグイ乗りこなすのだがヒヤヒヤしてしまう。
落ち着いた小百合さんしか知らないので、この活発さは何? のGap感がスゴい。

そして大発見だったのは、南田洋子と芦川いづみがとても美しいことだ。
この両女優に魅入ってしまった。

二人は自然体だけど独特の雰囲気があり、主役に負けない存在感があった。

この映画のハイライトシーン、一つの手紙(ラブレター)を巡って、校長や生徒の親、町内を巻き込んだ役員会議が開かれるのだが、この裁判チックなシーンは本当に聴衆を引き込ませるものだ。

この場面で急に全体のテンポがゆっくりになるのも面白い。
参加者のそれぞれの心境が変化していく様子や展開が読めない先……、裁判ものは最高のエンターテインメントだとつくづく思ってしまう。

PTA長老、左卜全のハリのある声。ここぞの時の発声と抑揚、今あんなふうに話せるヒトいないだろう。

レトロな教室や職員室、舗装されていない道、雑貨商店や俳優陣の衣服など興味深い映像が続く。。
わずか50数年前なのに、この違いよう。
これからの50年後も同様の変化があるのだろう、と想像する。

主な撮影地は彦根城周辺のようだ。
後半の海辺岩礁での「好きだあー」のシーンや自転車で走る海沿いはいったいどこなのか?
彦根以外のロケ地も気になった映画である。

Karimar