劇場公開日 1989年11月3日

「高倉健、富司純子が主演する映画となればヤクザ映画を即イメージしますが、芸者はでますがヤクザは一人も登場しません」あ・うん あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0高倉健、富司純子が主演する映画となればヤクザ映画を即イメージしますが、芸者はでますがヤクザは一人も登場しません

2025年3月7日
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鑑賞方法:VOD

あ・うん

高倉健、富司純子が主演する映画となればヤクザ映画を即イメージしますが、芸者はでますがヤクザは一人も登場しません、全員真っ当な堅気の人間ばかりです
なので東映ではなく東宝の映画です
高倉健、富司純子の黄金コンビ主演の映画はたぶん1972年の富司純子引退記念映画 関東緋桜一家以来で17年ぶりです
物語の時代も昭和残侠伝の昭和初期でほぼ同じ頃の設定です

この二人の出演なれど、いつもの雰囲気の映画では全然違うので、肩すかしを食らった気分です
ところが、映画が終わってみると、これは確かに健さんや富司純子の映画を観たとという満足感があるのです

タイトルを漢字で書くと阿吽だそうです

辞書によると、 「梵字の12字母の、初めにある阿と終わりにある吽。密教では、この2字を万物の初めと終わりを象徴するものとし、菩提心と涅槃などに当てる」とあります
また、「仁王や狛犬などにみられる、口を開いた阿形と、口を閉じた吽形の一対の姿」のことや、
「吐く息と吸う息。呼吸」などとあります
転じてあ・うんの呼吸という言葉の方が一般的ですね
互いの気持ちや息がぴったりと一致していることです
本作では門倉と水田の戦友という間柄がそれを意味しています
どけども門倉、水田の2組の夫婦があ・うんの呼吸とはいえません
たみと門倉の間も気は通じていてもそこまではとてもとても
本作はやはり元プロ野球選手の板東英二につきます
彼でなければ成功しなかったとおもいます
数々の映画賞で助演男優賞に輝くのは当然の名演です
上手い下手で言えば下手なのですがなんとも味わいがあるのです
これを演技の上手い劇団出身の俳優がやっても嘘ぽくなるだけです
本作以後四十七人の刺客や鉄道でも高倉健さんと共演されて活躍なされたのはご存知のとおり

あき240
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