「特高批判」あ・うん kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
特高批判
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寝台戦友で20年来の親友である門倉(高倉)と水田(坂東)。門倉は水田の妻たみ(富司)に好意を持っている。それを水田の娘さと子(冨田靖子)はプラトニック・ラブと称し、お見合い相手の石川(真木)と破談になったにも拘わらずこっそりと付き合い、その石川は特高に捕えられてしまう。 水田は芸者のまり奴に惚れて通い詰めるが、そのまり奴を門倉は大金をはたいて芸者をやめさせる。ときは日中戦争前夜。門倉の会社も軍需景気によりアルマイト弁当箱で急浮上した会社だった。
どちらかというと、女が憧れるような男の友情。助け合い、罵り合い、それでいて言葉に出さない奥底にある絆。その嫉妬にも似た憧憬は修善寺温泉で眠りこけた男たちに豆をはじいてぶつける富司純子の映像が象徴している。狛犬の“あうん”を見るシーンは冨田と真木。
ラストでは石川が召集令状を受けたと水田家を訪れる。「追いかけなさい。責任は俺が持つ」と諭す門倉。「特高に睨まれて召集された者は必ず戦死する」などとドキリとする発言を平気で取り入れるところが憎い。
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