「時折自分達の体の中には液体が巡っていて、食べるものも排泄するものも...」いのちの食べかた ケさんの映画レビュー(感想・評価)
時折自分達の体の中には液体が巡っていて、食べるものも排泄するものも...
時折自分達の体の中には液体が巡っていて、食べるものも排泄するものもそれなりの水分を含んで流動的であるということを思い出す。液体燃料は輸送や取り回しの点で便利なために、効率の良いガスや値段の安い石炭などと比べて重要となるらしい。そんなことを思い出したのは、釣り上げられた牛の首筋が切り開かれて、血と体液が溢れ出す瞬間を見た時だった。
全く露悪的で無い取り方には衝撃を受けた。と同時に、その衝撃の中に批判するロジックを探そうとしているのに、それがうまく見つからない。ペットショップ批判然りで現場の人々を批判したり法令で禁止しようとしたところで、その根っこの問題は解決されることはない。また、屠殺という事実に限っていうなら人間が生きていくのに必要不可欠な行為であり、映像の中に映るシーンはそれを工学的に効率化した結果がこれであって、グロテスクさというのをきちんと見極めることは難しいものだ。
しかしそれでも批判されるべき点は存在する。現場の人々に押しつけて差別的な観念を強化するわけではなく、システムに対する考えを広げていけるように、人間が生きるために動物を効率化したように、機械が生きるために人間を効率化させられている事を問題提起できるようにありたいと思った。
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