「ヴァージン・クイーンの悲哀?」エリザベス ゴールデン・エイジ 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
ヴァージン・クイーンの悲哀?
1998年の映画『エリザベス』の続編に相当する作品。そのタイトルの通り、これ以降、エリザベス、そして大英帝国の黄金時代が幕を開きます。2008年のアカデミー賞で、主演のケイト・ブランシェットは主演女優賞にノミネートされた(惜しくも、受賞ならず)。また、衣裳デザイン賞を受賞している。
ケイト・ブランシェットが良い。ヴァージン・クイーンと言われたエリザベス1世の、女と国の総覧者としての狭間で揺れる心を、非常に上手く描いている。” ノブリス・オーブリジュ”そのままに、スペイン無敵艦隊との戦いにおいて、先頭に立って総員を鼓舞しているシーンがあるが、中々見応えがある。見応えがあるといえば、女王の衣装だが、豪華絢爛。アカデミー衣裳デザイン賞の受賞も納得です。
基本的には、歴史の出来事であり、特に物語を付ける必要があるはずも無いのですが、”事実は小説よりも奇なり”。当然、映画化する上での脚色はなされていると思いますが、ベースとなっている話だけでも、物語性は十分。エリザベス1世、ベス・スロックモートン、ウォルター・ローリーの関係をめぐる件は、中々ロマンチックですしね。
イギリスの歴史を知らなくても楽しめますが、知っていれば、より一層楽しむことが出来ます。歴史考証も、中々正確にしているので(食事の際、手づかみだとか)、そう言う意味でも、結構良い映画です。
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