クワイエットルームにようこそのレビュー・感想・評価
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素晴らしい。
これ、すっごく良かったです。個人的に^m^
松尾スズキ。。の持ち味はもちろん生かされていますけど、
真面目にいい話でした。珍しく…(さすが芥川賞候補^^;)
主演の内田有紀をはじめ、ホントに頑張りました(という感じ)
少し前、蒼井優がすごく痩せてしまった時期がありましたが、
ひょっとしてこの役作りのためにか?…なんて思ったくらい。
彼女と大竹しのぶの怪演はさすがに観応えたっぷりでした!
他にもそれぞれのパートをきっちりと、
笑わせつつ哀しい人間たちを演じた役者さんに拍手拍手です。
いわゆる閉鎖病棟が舞台なんだけど、、、
おそらく誰もが自分を異常だなんて思ってないですよね。
正常と異常の境界ラインなんて、人の精神状態をどう細かく
分析したって、ここなんです!とハッキリ出せないと思う。
他人に危害を及ぼす、あるいは自身を虐待する、といった
拘束を必要とする人間達を入院させるのがこういう病棟で、
ここに出てくる婦長さん(りょう)は、あの名作
「カッコーの巣の上で」の婦長さんがモデルだろうなぁ^^;
自堕落。(爆)な生活を続けていると、人間はどこまでも
堕ちてしまうんだなぁ…というのはあるけれど、
そうなる原因は、きっとどこかにあったハズなんですよね。
でもそれを忘れたい、あるいは封じ込めたいから、ますます
自分で自分を追い込んでしまって、不眠状態になったり、
誰かを傷つけたりしてしまう…人間はいかに弱いものかと
こういうふざけた(ゴメン松尾さん)
内容の中にもリアルに虚弱な人間体質が描かれていました。
そしてそれは、ここに描かれた人間だけでなく、
いつどこで私達だって、そうなるかもしれないんだな、と。
ゲロまみれになっても、頭グッチャグチャでも、(爆)
内田有紀が演じると、かなりイイ感じになっていましたよ。
どうして彼女がそうなったのか、それが分かってくる後半、
彼女が閉鎖病棟に入らなければならなかった真の理由、
その苦渋の決断をするパートナーがクドカン!?つ~のも、
なんだかふざけた感じですけど(スイマセン)彼も良かったな。
実はみんなに愛されている。
いや、みんなじゃなくてもいいんだけど^^;そういう自信と、
私は私なんだ、という確固たる信念を持ち続けることって
簡単そうに見えて難しいものだ。
一見分かった風な口を利く患者が、実は一番危険な存在とか
才能と狂気は紙一重だったりとか、納得できるシーンが満載。
現世で生きる以上、避けて通れない精神状態と人間の繋がりを
まさか松尾スズキ?教えられるとはねぇ(最後までスイマセン^^;)
松尾スズキえらい
地続きの隔離病棟から脱出する方法
傑作!!
重いテーマを軽く、コミカルに撮ったとこがすばらしいです。
内田有紀さんは、キレイなだけに始末が悪い、うざい女って役がらがとてもハマってました。
また、彼女をフォローする病院の患者たちの個性あふれる面々はキャスティングの勝利です。
作品ごとに芝居の質を変える蒼井優さんのカメレオンぶりも一層炸裂してました。それから、コモノという小心者の男を楽しそうに演じている妻夫木くんも印象に残りました。
テーマという点でいえば、精神病院からの脱出を題材にした、ジャック・ニコルソン主演の「カッコウの巣の上で」と比較して観るのも一興かも。
「松尾スズキの遺作になるかもしれない」というリリー・フランキーの太鼓判も納得の一作です。
これは見てよかった!
内田有紀演じる明日香が薬の影響で、自暴自棄になっていくシーンがリアルですごかった。
蒼井優も本領発揮、これほどまでに演技がうまいとは思わなかったのでびっくり。
内田有紀、蒼井優、共にこれからが楽しみだ。
キャストもすばらしかった。けっこう思いがけないところに意外なあの人が…。
原作は違う笑いどころアリ
ヒロインを内田有紀が演じたことにより、サブカル色が薄まってより多くの人が楽しめる映画に仕上がったと感じた。
思いがけず良かったのが鉄雄役のクドカン。“売れっ子放送作家”という設定と本人に共通点が多いことを抜きにしても、鉄雄の自信なさげでありながらも飄々とした姿をとても魅力的に演じていた。明日香に共感できる女子は惚れてしまうかも。鉄ラブ!(鉄道ラブではない)
大竹しのぶが演じたオバサンはめちゃめちゃムカついたなぁ。あんな人絶対近くにいてほしくない。そんなオバサンをさらりと演じた大竹しのぶは本当に素晴らしい女優ですな。うむ。
原作ファン(というか松尾スズキファン)なので、本の内容がそのまま映画になってもいいかなと思っていたら、しっかり映画用の笑いどころも用意されていて嬉しかった!
精神病院とか薬物過剰摂取とか設定だけ並べると後ずさりしそうになるけど、フタを開けてみれば悩める女子のフツーの物語だという印象。本を読んだときもそう思ったけど、鑑賞後は何だかスッキリした。
頭の中が気になる
オモロウて、やがて哀しき…。
才人、松尾スズキ監督作品。曲者キャスト達が贈る、“悩める若い女性のための人生讃歌”。最初のうちは、ただただ面白いんですが、これがなかなかどうしてホロリとさせられるんですよ。
芸達者な面々と、キャラ立ちした監督によるコミカルストーリーだと思って観てたんですよ。現に中盤までは、随所でクスクス笑わせてもらってましたから。でも或るシーン(具体的には、大竹しのぶ演じる西野が、内田有紀演じる明日香の入院までの経緯を暴露するシーン)を境に、ガラリと映画の空気が一変。そこからは、『人間みんな、悩みを抱えて生きている。出来ればそんなモノはどこかへ置いておいて、楽しく生きていたいが、なかなかそうもいかない…』という誰もが持っている切実な思いが、スクリーンに描きだされていて、結構ズシンと胸に来ました。あっ、でもラストは明るく〆られてるんですけどね。
主演の内田有紀は好演してますが、それ以上にこの映画は脇が凄い!大竹しのぶは相変わらず“怪演(ホント、恐いくらいハマッてる)”ですし、蒼井優ちゃんの“摂食障害患者”という役柄は、これまでの彼女とは、違った一面を見せてくれます。何より今回妻夫木クンが、クドカンの下っ端役で出演してるんですが、これが特筆すべきダメっぷり(イイ意味でね(^^;)!よくもまあこんな役やったな~って、感心してしまいました。ファンの皆さん必見です!これまで見たことのない妻夫木クンに会えますよ。で、これだけのキャラがそろいますと、一見“変な奴”に見えるクドカンが、一番マトモな人間に見えてきてしまうんですよ。このことだけでも、この映画が如何に濃い面々で演じられているかってのがわかっていただけますよね。そして、それらを1本のエンタテインメントとして撮り上げた、松尾スズキ監督の素晴しき手腕を、改めて痛感させられました。いやあ、ホントこの方“才人”です。マルチな才能ってのは、持って生まれたモンなんですかね~、羨ましい!
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