「ビートルズとその時代背景を知っていればもっと楽しめる映画。」アクロス・ザ・ユニバース ゆきだるまさんの映画レビュー(感想・評価)
ビートルズとその時代背景を知っていればもっと楽しめる映画。
全曲ビートルズ楽曲によるミュージカル映画、ということで
ビートルズの大ファンではないにしろ、好きな曲はあるので
期待大で観に行きました。
群像映画っぽいけど、主役のJudeとLucy中心のストーリーはシンプル。
Boy meets girl.
曲と映像の結びつきがちょっと単純過ぎる?と思うシーンもありましたが、
I want youとStrawberryfieldsの使い方は「こう来るか!」と意表をつく感じで
とても面白かった。
特にStrawberryfieldsは、秀逸!切なくて悲しい。すごく巧いと思った。
歌声は全て俳優さんが吹き替えなしで歌っているとか。
それもキャスティングの重要な要素だったのだろうけど、
皆さんとても上手いです。
ジャニス・ジョプリン似の彼女の迫力は圧巻!
改めて歌詞を見ながら聴いていると、今まで意味をあまり考えずに
聴いていたんだなーと再確認。
そのメッセージ性を考えると、やっぱり60~70年代の時代背景やら
そのときの空気感みたいなものを理解していればもっともっと
楽しめる映画だと思いました。
もちろん、ベトナム戦争や反戦運動、ドラッグカルチャー、ヒッピーなどなど・・・
知ってはいるけど その「空気」を肌で感じた訳じゃない。
音楽に限らず芸術って、それを生み出した「時代」を知ることもカギなんですね。
U2のボノが(ちょっと笑える形で)が出ていたり、サルマ・ハエック
(「フリーダ」のエキゾチック美女)がチョイ役で出ていたり、
贅沢な仕掛けもある映画でした。
ミュージカル、ということを考えると劇場で見た方がいいのだろうけど、
1800円だしても見るべきか?というと、正直いって
私としてはちょっと疑問が残ります・・・。