「感情って混乱するんですね」パンズ・ラビリンス ノリミッチーさんの映画レビュー(感想・評価)
感情って混乱するんですね
絶句しちゃいました。
ゼロ・グラビティのアルフォンソ・キュアロン監督が、製作に関わっている事から鑑賞しました。
現実とファンタジーが隣り合わせの物語です。
設定としては『ネバーエンディングストーリー』や『ダンサー・イン・ザ・ダーク』、『エンジェルウォーズ』などが近いと思います。
ところが……もう暗いのなんのって、娯楽なのだから「もっと楽しませてよ」と、本気でへこんでしまいましたよ。
家族向けの冒険活劇を期待したら、途方もないカウンターをくらいます。
そのため、鑑賞直後は無駄な時間を過ごしたと思いました。
数時間後、どうにも釈然としないので本作をネットで検索したら、色々な意見と見方がある事を知りました。
一つの物語に多角的な視野をもって、複数の解釈が同時に出来る作品のようです。
それを踏まえて再鑑賞してみると、確かに一回目とは違って暗いだけだった印象の払拭は出来たのですが、悲しいのか喜ばしいのか、幸福なのが不幸なのか、もうゴッチャになって分かりません。
複雑な感情です。
凄い作品だと思います。
ただ、ここまで崇高な事を前提だとすると、映画観点の造詣に深い人以外は、受け入れし難くないですかね?
私も色々と情報を踏まえて、二回目の鑑賞で、やっと少し感じ取れただけです。
まぁ、それでも感想には正解も不正解もありませんから、人それぞれが何よりですね。
珍しいですが、情報を仕入れて見た方が楽しめる作品だと思います。
物語の深淵さを覗き、あれこれ想像して満足する事請け合いです。
論説や解読が好きな方にオススメです。
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