「中毒性のある恐ろしい映画。」パンズ・ラビリンス なのさんの映画レビュー(感想・評価)
中毒性のある恐ろしい映画。
普段ホラー映画はエグい描写が無理で見られないのだけど、こちらも同じくらい恐ろしいシーンが多く、チキンには見るのが辛い物語。
冒頭から心臓が止まりかけた。
ダークファンタジー怖い オェェェェ
それなのに、吐き気を催しながらなんとか最後まで字幕で見た後、解釈を考えて理解し直すためにまた日本語吹き替えで見直してしまった。
永遠に抜け出せないラビリンスのループ。
そして降参してそっと封印したのに、さっきまた見てしまったので、もう潔くレビューを書くことにした。
何が怖いって、こういう現実が実際にあって、今でも同じ苦しみを持ちながら、想像や空想を頼りに何とか命を繋いで生きている幼い子達がいることをリアルに感じてしまうから。
映画はどこまでもエンタメであってほしいっていう生温い考えを、何度もピストルで撃ち抜かれた。
登場人物が何かのメタファーで、とか空想オチで、当時の内戦がどんなもので、とかいろいろな情報や考察を読み漁って、一周したところでなんとなく私なりの答えが見えた。
想像や妄想や空想は鏡のようなもの。
どっちも本当で、どっちの世界でも生きている。私もそんな子だった。
大人には見えない、というより他人には絶対理解されない。されるはずもない。
あっちとこっちの世界を行き来している訳ではなくて、その全ては現実としてパラレルワールドのようにどちらも存在している。
無いのではなく、確実に「ある」のだ。
自分だけの中に。
生死にこだわってしまうと、最期のシーンはただただ可哀想な主人公に見えるけど、そんなものは超越して魂レベルで見る成長物語なのかなと。
輪廻転生があるなら。
来世では王女として争いのない世界に生きられているはず、だよね。
それだけの強い強い思いが彼女にはあったから、必ず願いは叶う。
そう思わないととてもやっていけない。
今現在、争いのない場所に生きていられることだけで幸せなのに、なぜ時々不幸を感じてしまう必要があるのか考えさせられる。毎回。
きっとまた見るんだろうな。オェェェ