「幻想と現実」パンズ・ラビリンス AKIRAさんの映画レビュー(感想・評価)
幻想と現実
1944年,スペイン内戦終結後の動乱を背景に,
迷宮で出会った牧羊神パンから試練を受ける少女オフェリアの物語。
先の見えない不安と,
血なまぐさいを現実を反映したダークな世界観。
オープニングから覚悟せよと告げられます。
愛と勇気の冒険を期待した気持ちを捨てて,
居住まいを正したあとは,
創造性に富んだ美しい映像,
それを主張しすぎずに彩る音楽,
画面から目を離せない緊張感ある演出に,
最後まで引き込まれて鑑賞。
好奇心いっぱい無垢な少女オフェリアを演じた
イバナ・バケロの繊細な表現が素晴らしい。
義父のビダル大尉も,見事な存在感。
彼が画面にいるだけで空気が張りつめる。
重いメッセージと,
押し寄せる切ない余韻を全身で受け止められる
奥深いファンタジードラマでした。
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