劇場公開日 2025年7月11日

ONCE ダブリンの街角でのレビュー・感想・評価

全91件中、1~20件目を表示

5.0容赦のないダメ男映画としても出色

2025年7月31日
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名作の多い音楽映画の中でも指折りに大好きな作品を、日本最終上映ということでスクリーンで再見。次作『はじまりのうた』以降は商業映画である責任を背負った感のあるジョン・カーニーだが、本作は低予算で作られたというだけでなく、インディペンデントならではの粗さが目立つが、むしろ磨かれすぎてない宝石に直接触れられるような手作り感になっているのが良い。本職のミュージシャン2人を主演に迎え、楽曲制作を任せたのも素晴らしく、音楽絡みのシーンはすべて生もののような説得力が宿っているし、音が重なることによって音楽が生み出されていく興奮を伝えてくれる楽器屋と録音スタジオの名シーンは凡百の音楽映画からも抜きん出ている。あと、主人公の男のダメさ、情けなさ、ヘボさ、あわよくばを狙うしつこさを、これでもかと曝け出すように描いていて、容赦ないダメ男映画としても一級品だと思う。

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村山章

4.0back numberを再発行

2025年9月21日
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uz

4.5気持ちをのせた曲が雄弁に物語る、優しくて切ない素敵映画

2025年9月11日
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冒頭のエピでこのギターを弾く男を好きになる。そして女は掃除機を引きずって歩くマイペースで、でもまっすぐな瞳が魅力的。2人のセッションやレコーディングの光景、彼らの気持ちを載せた曲が、優しくて雄弁。傍からみたら、お前らつきあっちゃえよって思うけどでも現実はそう簡単じゃない。リアルだってそう。彼らは、知り合い、盛り上がり、楽しみ、そしてお互いの人生をちょっと後押ししあったんじゃないか。束の間の彩り、かけがえのない思い出の一つも残して。うーん染みるなあ。
ラストシーンの彼女の姿がとてもよくていい映画を観たなという気持ちにさせられた。多くの人が好きだという作品はやはり愛されるのがわかるってことが多いな。

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ターコイズ

4.53部作の中で一番好き

2025年9月8日
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「シングストリート」「はじまりのうた」と逆順に観てきて、いよいよ本作を鑑賞。3本の中では、一番好きかもしれない。
明らかに低予算で、外での撮影はゲリラだということが後ろの人たちの反応からもわかるが、逆にそれがホームビデオのような臨場感をたたえていて、このストーリーにしっくりきた。
ミュージカルでは決してないのに、全編の3分の2以上は楽曲で埋まり、歌詞が人物たちの気持ちを代弁していく。
曲作りのシーンでは「相手(といっても元カノや別居中の夫だったりもするのだが)への募る思い」が、そして、楽器やコーラスが重なっていく演奏シーンでは、徐々に深いところで響きあい始める2人の関係性が、見事に描かれていた。

<この先、結末に触れますので、ご注意下さい>

この作品が、3本の中で一番好きと思う理由は、「安易に2人が結ばれないこと」に尽きる。
「もう、絶対に惹かれあってるじゃん!」と観ているこっちは身悶えもするが、刹那的な行為に走らず、大人な判断ができる2人であるところがいい。
互いに心の中に別の人がいるうちは…という、自らへの誠実さと、相手を思う抑制的な姿にグッときてしまう。

それから、女のお母さん、男のお父さん、どちらもわずかな登場ながら、揺るがない自分を持つ、とても魅力的な人たちだった。
お父さんは、息子に渡した餞別が、彼女のためのピアノに変わったことを知っても、きっと許してくれることだろう。

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sow_miya

3.0マルケタ・イルグロバの魅力全開

2025年8月31日
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ひでちゃぴん

4.0「tiny desk」みたいな録音風景が楽しい

2025年8月28日
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楽しい

ストリートミュージシャンの男性と移民の女性が出会い、一緒に音楽を作り上げていく。
女性はミュージシャンに、「彼女はいる?」などと、個人的なことをしつこく聞く。
そのせいもあって、ミュージシャンは女性を、ただの音楽仲間以上の存在、と意識してしまう。
これは気の毒だ。
楽器店で女性が、メンデルスゾーンの「舟歌」を弾いた時、ミュージシャンは「自分で作ったの?」と聞く。ピアノを習いたての子どもが発表会で弾くような有名な曲なのに、知らない。
住む世界の違いを暗示しているシーンと受け取った。

終盤、女性の夫から立派なピアノが届き、「やはり」という感じ。

録音スタジオで、友人達を加えてのセッション風景は、ちょっとtiny deskに似ていた。
録音エンジニアは、ECM の偉い人に感じが似ていた。
「音にうるさい人の顔」って何か共通したものがあるのかな。

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ぴのこねこ

3.5素朴で自然、曲の数々が心に沁みた

2025年8月6日
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かばこ

4.0ありそうでなかなかない映画。

2025年7月28日
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ドキュメンタリーっぽくて良かった。
ダブリンって、色んな人種がごちゃっと暮らしてる感じだというのが分かった。
女性の部屋に入ったときに男性の感じが本物っぽくてよかった。
ありそうでなかなかない映画。

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khapphom

4.0主人公の取る選択が琴線に触れる。

2025年7月27日
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ダブリンの街中で出会う男女の話。

単なる男女のラブストーリーではないようで、でもとてもリアルなラブストーリーなのかなと思う。

相手の幸せを願って、自分の一番誠実なものを差し出す。

主人公の最後に取る選択が見たいが為に何度も観てしまう。

人に安易におすすめしたくない、心の大事な風景のような映画。

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てつ

3.5掃除機(しょうじき)散歩ww

2025年7月22日
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ジョン・カーニー作品だからといって全部が全部自分に刺さるわけではないのか……
ストーリーがな〜ラ・ラ・ランドみたいな“I'm happy for you.”展開かと思っていたけどなんか違うし。

でも!音楽はいい✨間違いない✨✨それだけで加点+0.5!

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らまんば

3.5掃除機で散歩

2025年7月20日
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難しい

「シング・ストリート 未来へのうた」の監督だったのですね
アイルランドが舞台で音楽なのも同じ
なぜか二人とも最後まで名前を呼ばずに進む
そもそも設定がguyとgirlなんですね
音楽は良かったし、ともに過去と現在を引きずりつつ
未来へと進んでくストーリー
ただ個人的にはももっと深い関係に期待してしまった
ちょっとリアルだったなー
「はじまりのうた」はまだ観てないのでこれから・・・

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かちかち

4.5君が選んだ道にたどりつけるはずだから

2025年7月19日
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幸せ

斬新

癒される

ミュージックビデオのような、ドキュメンタリーのような不思議なタッチ。
手ぶれも映り込みもなにも気にせず切り取ったダブリンの日常。
名も無き男と女が路上で出会い、音楽を通じて心通わせ、距離を縮める。

それぞれに忘れられない女と男への思いを抱えながら、綴り、奏で、歌う。
無口な2人。彼と彼女の思いは、セリフではなく、歌詞で表現される。

半分ほど観て、ようやく気づいた。これはミュージカル映画なんだ。
エモーショナルな演奏も、ダンスもない。なのに、観る者の心にじわじわと染み入るように入ってくる男と女の感情。
既成概念を覆す、新しいミュージカル映画。

girl(女)を演じるマルケタ・イルグロバがとても魅力的。
ちょっと不思議な雰囲気と人懐こさ。初対面で聞きにくいことをぐいぐい聞いてきてもちっとも不快感がない。芯の強い母親だけど、ピアノやバイクを前に、無邪気な少女のような一面を魅せる。

彼女が寝間着のまま歩きながら夜道で歌うシーンが好きだ。仄暗い住宅街。路上駐車の車の列。滲むオレンジ色の街灯。手に持つCDプレーヤーと歌詞を書いた紙。モフモフのスリッパ。何故だかとても愛おしくなる。

たった一度のレコーディング。
縮まった心の距離は、それ以上縮まることなく、2人は別れる。
それぞれが、それぞれの新しい生活を始める。
何か大きな出来事が起きそうな予感はしない。しかし、笑顔でロンドンに向かう男と、その男に贈られたピアノを弾く女が笑顔で見つめる窓の外の景色は、音楽と共にある2人の日常が、これからもずっと続くことを感じさせるような希望に満ちた色をしていた。

「希望に満ちた声を上げよう 君が選んだ道に たどりつけるはずだから」

心に残る、素晴らしい映画でした。

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TS

3.5音楽長っ

2025年7月17日
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「シング・ストリート 未来へのうた」が大好きなので、絶対観なければいけないと思い、劇場に赴いた。シング・ストリートはPV制作がらみの映画だから、一曲一曲が長いのはわかる。今作はやや曲が長すぎ、もう少しスッキリできたのではないかと思う。
ただ、出演者が全員善人なのがよかった。
エンドロールの"Boy" "Girl"もびっくりした。

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hanataro2

3.0音楽が主役の素朴でつつましい佳編

2025年7月17日
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初公開時見逃していて今回初見。
多くを語らず、音楽と画像だけで説明される展開がよい。主役の二人は名前すら出ない。

楽曲はどれも名品。特に楽器屋で二人が初めて音を合わせる曲「フォーリング・スローリー」ーはじめは慎重に、徐々に波長が合ってくる、そして電池を買いに行く間に彼女が作詞しちゃう曲ー哀切で日本人好み。

主役のグレン・ハンサードはアラン・パーカーの91年作「ザ・コミットメンツ」のバンドメンバーの一人だったのね。当時20歳だった彼自身、音楽を突き詰めてアカデミー賞受賞にまで成長したということかな。

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sugar bread

4.0音楽を通じて出会う男女 歌は身近な生活の中に息づくみんなのもの

2025年7月17日
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幸せ

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ITOYA

4.5タイトルなし(ネタバレ)

2025年7月14日
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k elow2

4.025-090

2025年7月14日
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音楽が人と人の心を繋ぐ。
恋人に距離を置かれてる男と
夫と距離をおくチェコ移民の女。
ギターとピアノ、
互いの演奏と歌声、曲作りを認め合い、
心を通わす。

短絡的に恋愛には発展しない展開が
リアリティを感じさせる。
映像の荒さも相まって。

全編素敵な曲に彩られた心地よい鑑賞体験でした☺️

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佐阪航

3.5演奏しているギターは本体に大穴が空いている

2025年7月13日
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楽しい

ドキドキ

カワイイ

これは、とても面白い映画でした。

お話しとしては、何ちゃらない淡い恋愛映画なのだけれど、チェコ出身のヒロインを演じた女優がとても魅力的です。

主人公が演奏しているギターは、本体に大穴が空いています。いつも持ち歩いているから気になってしまって。
こんなので、プロの演奏を求められて、まともな音が出るのかな?って、最初から最後まで、ずっと疑問に思っていました。

結局、主人公役の俳優の持ち物で、18年間、愛用していたから大穴が空いちゃってるらしいということです。
音については良く分からないけれど、インタビューではそう答えていました。

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ねこたま

5.05拍子の When Your Mind's Made Up めっちゃ好き♪

2025年7月12日
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ワタクシは、5拍子の曲が大好物。
ミッション:インポッシブルしかり。
デイヴ・ブルーベックの「テイク・ファイブ」しかり。
ホルストの「火星」またしかり。

そしてこの映画の中の When Your Mind's Made Upも5拍子。
これ、めっちゃ好き♪

* * *

新宿ピカデリー他でリバイバル上映中。
最近、再上映が増えてるのは、新しい洋画が不作だからかなぁ、
などと思いつつ眺めてたら、
あれ? これ、観たと思ってたけど、観てないじゃん、と気づき。

でも上映時間が都合悪いな、と思ってたんだけど、
アマゾンでレンタルできることを知り、300円で借りて観た。

「はじまりのうた」「シング・ストリート」の監督の、出世作。

どっちも、大満足した作品。
そしてこの「ONCE」も、大満足。

* * *

まず、登場人物のキャラがいい。
主な2人はもちろん、
その父、母、楽器店の主人、スタジオのエンジニア、移民の同居人に至るまで、
冒頭のコソ泥若造を除いて、みな愛すべき人柄。
(その若造も、根っから悪い奴というわけではなさそう)

主人公が街頭で歌ってる姿を、手持ちカメラがはじめ遠目で、そしてだんだん近づき、うーん、これって誰かの視線かな、と思ってたら、再びカメラが遠ざかると若い女性がそこにいる。
上手い。

その女性が手に持ってるのは、失業者がそれを売って生活の足しにできるようにと販売されてる雑誌。
発音からしても、どうやら定職が見つからない移民らしい。

という始まり方が、ニクイ。

それから、細かいことは省くけど、主人公がいちおう家電の修理の仕事をしてる、と聞いて、修理してほしいと翌日持ってきた掃除機を、まるで散歩中のワンコみたいに引っ張って歩くのが、可愛くて笑えた。

で、未見の方はぜひご覧になってほしいんだけど、
ここから物語は、ある程度予想通り、でもかなりの程度は予期に反して、動いていく。
その予想の裏切り方もまた心地よい。

ちなみに、エンドロールで驚いた。
主役の男女の役名が、boyと、girl。
そういえば、1回も名前を呼んでなかったわ。

そして「once」にも、意味があった。
上手い。

* * *

それから何といっても、歌。
冒頭に挙げたほか、
オスカーを獲得した主題歌 Falling Slowlyなど、いい曲が目白押し。

それに、セッションは楽しいよね♪

ただ、chorusの字幕が「コーラス」になってたけど、そこは「サビ」でしょ。

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島田庵

4.5掃除機じいさんカッコいいじゃないか

2025年7月12日
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予告編を観て、映像が粗いなと思いつつも面白そうだなとチェックしたら日本最終上映?
知らなかったよ、はじめまして。

変に短期間でくっついたりせず微妙な距離感なのは好感が持てる。
チェ子は可愛らしくて良い人ではあるのだけど、出会いのシーンやバイクのくだりが、若干しつこいのが苦手。
ダブ男は元カノに未練ありなのに、あわよくば感におぉい!ってなる。

とはいえ音楽は耳に残る良い曲ばかりだし、レコーディングのシーンは微妙な空気から、次第に和気藹々となっていく様がワクワクした。
すごく良い声だなぁと思ったら、やはりプロのミュージシャンなのね。
偶然にも素敵な映画に出会った。

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コビトカバ
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