劇場公開日 2007年10月27日

「ずっと手にしていたもの」自虐の詩 momogaria-noさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ずっと手にしていたもの

2013年8月17日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

笑える

悲しい

幸せ

みんな高く飛べない、登場人物たち。

いくら飛んでも、透明の低い天井に頭を打ちつける。

そんな限定された世界で、彼女は生きる。

毎日ちゃぶ台がぶっ飛ぶことも、どこか嬉しい。

どんな小さな家でも、自分の居場所がある、それだけでいい。

彼女は生死の境をさ迷ったとき何を感じたのだろうか?

母が腹の中でわが子を守り、出産するということ。

自分が母になって初めて、満たされた心、母の強い気持ちを知る。

産んでくれただけ、こんなにも在り難いことだったと・・・

母になる前は、どうか私を愛してください。

それが全てだった。

その満ち足りない欲求が、精神のバランスを少し崩していた。

閉塞感のある世界でも、手にしていた強さで生きていける。

堤幸彦監督、トリックのように

どこか不足している人物たちが不思議な笑いと共に描かれている。

momogaria-no