「ずっと手にしていたもの」自虐の詩 momogaria-noさんの映画レビュー(感想・評価)
ずっと手にしていたもの
みんな高く飛べない、登場人物たち。
いくら飛んでも、透明の低い天井に頭を打ちつける。
そんな限定された世界で、彼女は生きる。
毎日ちゃぶ台がぶっ飛ぶことも、どこか嬉しい。
どんな小さな家でも、自分の居場所がある、それだけでいい。
彼女は生死の境をさ迷ったとき何を感じたのだろうか?
母が腹の中でわが子を守り、出産するということ。
自分が母になって初めて、満たされた心、母の強い気持ちを知る。
産んでくれただけ、こんなにも在り難いことだったと・・・
母になる前は、どうか私を愛してください。
それが全てだった。
その満ち足りない欲求が、精神のバランスを少し崩していた。
閉塞感のある世界でも、手にしていた強さで生きていける。
堤幸彦監督、トリックのように
どこか不足している人物たちが不思議な笑いと共に描かれている。
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