「【”聖書に通じた無法者と、男を護送する貧しき牧場主の夫々の誇りと奇妙な友情を描いた作品。”今作はラッセル・クロウ、クリスチャン・ベイルの魅力に溢れる西部劇なのである。】」3時10分、決断のとき NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”聖書に通じた無法者と、男を護送する貧しき牧場主の夫々の誇りと奇妙な友情を描いた作品。”今作はラッセル・クロウ、クリスチャン・ベイルの魅力に溢れる西部劇なのである。】
ー ご存じの通り、アメリカ映画で西部劇は絶滅危惧種である。邦画の時代劇に似たものがある。だが、今作の様な秀作を創り出す監督も、まだいるのである。今作のジェームズ・マンゴールド監督もその一人である。更に今作の魅力を生み出しているのは、ラッセル・クロウ、クリスチャン・ベイルの、相反する役を演じる魅力にある事は、否定できないであろう。-
■アリゾナ州で小さな牧場を営むダン(クリスチャン・ベイル)は、南北戦争で片足を負傷して以来、妻アリス(グレッチェン・モル)と2人の息子ウィリアム(ローガン・ラーマン)、病弱なマークと苦しい生活を送っていた。
そんなある日、強盗団のボス、ベン・ウェイド(ラッセル・クロウ)が保安官に捕まる現場に居合わせたダンは、200ドルの報酬目当てにウェイドの”ユマ行き、3時10分発”の監獄行きの列車に乗せるための護送役に名乗りを上げる。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・ラッセル・クロウ演じる強盗団のボス、ベン・ウェイドのキャラクターが、魅力的である。早撃ちの名手であり、随所で聖書の一節を諳んじている。保安官に捕まる時も、余裕の表情を浮かべているのである。
・クリスチャン・ベイル演じる小さな牧場を営むダンが、ベン・ウェイドを護送する間に、少しづつ交流していく様。ダンはベン・ウェイドに護送に同行した本当の理由を告げるシーン。”足を撃たれたのは、仲間からだ。俺は、妻や息子達に誇れる男に成りたいんだ・・。”
・ベン・ウェイド護送の最中、彼の右腕の二丁拳銃の遣い手チャーリー(ベン・フォスター)達の度重なる襲撃により、護送する者たちは次々に命を落としていくのである。だが、ダンは護送を止めないのである。
■そして、護送はダンと彼の息子ウィリアムのみになる。激しい銃撃戦の中、ダンはベン・ウェイドを、漸く列車に乗せる。
だが、その時にチャーリーの銃弾が、ダンを貫く。
それを見たベン・ウェイドは、険しい眼つきでチャーリーと自分を救いに来た部下たちを睥睨し、チャーリーから渡された愛用の銃で、彼らを撃ち殺すのである。
ウィリアムは、怒りの眼でベン・ウェイドに銃を向けるが、撃たない。
そして、ベン・ウェイドは、独り列車の中の牢に乗り込むのである。
<今作はラッセル・クロウ、クリスチャン・ベイル演じる二人の男の夫々の誇りと奇妙な友情を描いた西部劇なのである。>