3時10分、決断のときのレビュー・感想・評価
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これぞ「男」な映画、良かったです
観応えある作品でとっても良かったです
ラッセル・クロウ、クリスチャン・ベール、この2人だけで良い作品になるのも当然なのかもしれません
余計なものがなく、ひたすらシンプルに男の生き様を観せてくれました
悪人のベン、善人のダンという描かれ方ですが、このベンが悪人ながらとっても魅力的
ダンの方はというと、家族を養えていない自分を恥として感じているよう
捕まってしまったベンを護送するダン、3時10分の列車を待つホテルでの2人での時間が2人の関係を変えたように思いました
ベンの抱えていた劣等感、息子に誇れる父になりたいという想い、お金より信念
ホテルから駅までの800mを2人で走る時には、友情とか絆とかじゃなくて、ベンからダンへの敬意みたいなものがあったようでした
そしてあのラストには涙
観る前は邦題の「決断のとき」というのがダサいように思いましたが、ベンとダンの3時10分のそれぞれの決断があって、観終わってからはこの邦題がしっくり感じました
ベンが最初から最後までひたすらカッコ良く、渋いラッセル・クロウがハマり役だったと思います
がんばるお父さんは美しい
個人評価:3.8
クリスチャン・ベールの健気さが胸を打つ。
ラッセル・クロウの荒々しくも知的な悪名高い強盗のベンが、この西部劇をインテリな作風にしている。
また忠実な部下役のベン・フォスターの演技が哀愁漂い。この役者を好きになってしまった。
悪者の論理が明解なのは生き延びる方法として誰よりも現実的だからだ。しかし、人生はそう単純ではない。
5年前に死んだ親父が西部劇映画が好きだった。こと在るたびに僕を連れて映画館へ行った。それは決して嬉しいことではなかった。暗闇が怖かった。その頃は・・・・
そんな頃にこの映画のマスターを見た記憶が微かにある。訳も分からずにラストシーンに眼を閉じ口を塞いでいたような気がする。
そんな映画のリメイク版を見るとは思わなかった。不思議だがこの映画を観ている最中に遠い昔のことを思い出した。それは懐かしいというよりは小学生の頃に見たこの映画で感じたことと今、このリメイク版を観て感じたことがほぼほぼ変わらないということなのだ。あの頃が早熟だったはずはなく、と言うことは全く成長の跡が見られないということに結びついてしまった。
男同士の感性の共鳴。父と息子の確執。家族と社会性。愛国心の行く末。そして「死」とはなにか・・・描くものと演じる者が迷わずに突き進む姿が画面から滴り観ている者の心を震わせてしまう。デブったラッセル・クロウは哀しみに囚われ過ぎた狡猾で残忍な老いた狼を見事に演じている。
純朴が故に嘘で固めた恥ずべき過去を語れぬ牧場主。クリスチャン・ベールは息子に尊敬されたいと思い続けるあまりに信頼を失くしているダサい男を懸命に演じる。
そんな二人の名優がラストシーンに見せる訳の分からぬアクションに固唾を飲んで観るのは糞暑い夜には格好の西部劇かもしれない。
男から男へ。
戦争で負傷し、幼い子供の病の為に不毛な土地で借金にまみれて不憫な暮らし、長男や嫁からの視線で肩身も狭い中に、自由気ままに生き、人殺しもするが「男らしい」とも憧れられる男と出逢う。
家族の為に、お金を稼ぐ為に身を削って命を危険に晒してまでも決断する。
それなのに最後はお金ではなく、誇りや名誉の為に。
父として息子にお金は残せないが、一生語り継がれる誇りを残す事を決意した。
愛を知らずに育った男も、その誇りには感銘をうけて応える。
男と男の映画でした。
2人で走り出すまで退屈だった
正直、特筆する部分もなく50分以上が過ぎてしまった。連行される段取りになっても印象に残った部分がない。映像美を感じる場面もない。いい人クリスチャン・ベイル、悪い人ラッセル・クロウ。ただ、それだけで進んでいった。まぁベン・フォスターの悪役ぶりはクセ者感あって、主役の2人より最後までインパクトあったかな。嫌な役が似合いますね。
稼ぎは悪いが真面目に生きるC.ベイルと、強盗殺人で大金を得てきたR.クロウ。生き方が逆で「それなのに借金かよ。俺なら(妻に)家事させねぇで楽に暮らせるようしてやるぜ」と挑発する場面は、現代にも通ずる。コツコツ真面目に働くのとギャンブルや怪しい仕事して一獲千金を求める生き方と捉えられるけど、肝心の映画が面白くないまま進んでいく。
中盤になっても
・いい人すぎるC.ベイルにイライラ
・意気盛んな息子が心配
・嫌味ばかり言われ崖に放り出されて死んじゃったオジさんは気の毒 → 言い返したい気持ちはよくわかるが相手が悪かった。「そんな...あんまりだよ~。これじゃ若い人の力には勝てない」それしか感想がなく何かすごく後味が悪い場面だった。
クライマックスへ、汽車に乗せるため二人で走って向うシーンは緊迫感あります。「ベン・フォスター軍団」だけではなく、金に目がくらんだ一般人にも標的にされ、ようやくファイトを出すC.ベイル。心に引っかかる葛藤を克服するため、走りながら殻を破ろうとしているように見える。過去戦争で味方に撃たれて負傷した「屈辱の片足」を引きずってでも走る。それは息子にいい所を見せるだけでなく、自分に対し「俺だってやり遂げた」心の勲章を実感するために!
けど、R.クロウを乗せた時は撃たれると容易に想像できる場面だったなぁ。
R.クロウは良心を捨てなかった点が「◎」だったので、もっと二人が理解しあえるシーンが沢山あった方がラストが活きたように思いました。
3時10分に汽車が到着してない部分は「仕方ない」「おいおい白ける」「ギリギリ間に合う展開だったらいいのに」等々、色んなこと考えてしまった。
気に入ったらオリジナルも探そうと思いましたが、残念ながら今作だけでおなか一杯になりました。
父が見せたい背中
まずこの思わせ振りな邦題が良いね。1950年代の初作でこれを決めた配給会社に拍手。原題のユマ行はイマイチだから、護送列車ぐらいにしそうなもんだけど。
主演のお二人はいままでの役柄から逆じゃないと思わせる。善人が似合うラッセル・クロウと、怪しい二枚目のクリスチャン・ベールだもんな。物語が進むとなるほど。名誉の負傷はそうでもなく、次男の病もあり、牧場主が人生に悩み苦悩する本音を打ち明けられ、ボスは協力する気になったか? 脱獄の自信もあり、もはやミッション達成して父親復権を助ける。ここで主役は完全に逆転。妙な絆の2人と長男の危なっかしい協力も絡み、物語はテンポ良く進む。
男親は特に息子に強く正しい父親を見せたい。これは万国共通で時代も関係ない。牧場主のやや見栄っ張りの意地らしい姿に共感を覚えるお父さんの一人として、なんだか心地よさも。
やり遂げる姿を見せる父親
ラッセルクロウ扮する無法者ベンウェイド一党は馬車を襲っていた。やり遂げる姿を息子に見せる一念は強かった。ラッセルクロウの西部劇、しかもならず者役は初めて観たな。悪役も悪くないね。
息子がいる父親は泣くだろうなぁ。(自分にか娘しかいないが)
印象に残ったのは、目先の餌よりも、生き方の潔さを息子に伝えようとした
父の気概。それが沁みる。
そしてラッセルクロウの名演技、真の悪人ではないのが伝わり、それを
主人公ダンの息子ウィリアムも見抜いている。
最後、ラッセルクロウ演じる悪のボス、ベンが、
ダンを殺した自分の手下を撃つ時の目つき、凄まじかった。
それは自分自身の悪の面への怒りにも感じた。
大義に金は不要。
鑑賞は4回目になるが、122分の上映時間が長いと感じたことはない。
この映画は登場人物である盗賊団のボス・ウェイドとその一味、家族の大黒柱であるダンとその息子、そして訪れる町の人たちがそれぞれの大義のために生き抜こうとする姿を描いている。
鋭い洞察力と確かな銃の技術で向かうところ敵なしのウェイドであったが、やがて捕らえられ、刑務所行きの汽車へ連行される道中で、護衛役を買って出たダンの一点の偽善もない人間性に自己を省みる。
汽車が到着予定時刻の3時10分から遅れて到着するまでの数分間にウェイドが何を思っていたのかは分からない。
ただ私は、最後に盗賊団の一味に向けられたウェイドの眼光から「偽善にはもうこりごりだ。俺は神よりも自分を信じ続ける奴を信じる」という意思を受け取った。
次回鑑賞する時には、ウェイドが見たダンの光の部分によりフォーカスしたい。
"本懐"へのリスペクト
間違いなく"名画"だった。
そう言っても、過言じゃない。
余計なこと、稚拙なことしか言えないだろうし、言える範囲を。
ベールのベストアクティングで、
ラッセル・クロウの最高傑作!
"本懐"を遂げることこそ、本当にカッコいい。
人として生きることの、過酷さ強さが詰まっている。
四の五の言わずに見て欲しい。
そして是非とも広めて欲しい!
この名画を撮った男を、その名画の、両方の名を。
ガトリング銃を装備し、完全武装
ダン(ベイル)の一家。いきなり馬小屋に火を放たれ炎上する。借金のカタに牛まで取られてしまったのだ。ダンは戦争で片足を失い、もっと悪ければ年金ももらえてたのになどと嘆く・・・
リメイク版の駅馬車はちょっと様子が違う。ガトリング銃を装備し、完全武装しているのだ。襲われたときには4人のベンの手下を殺している。こりゃ銃撃戦になっても正当防衛てのがどうなるのか・・・と、保安官が正当な裁判でベン・ウェイド(クロウ)を裁くなんて台詞もないし、とにかく悪い奴だったんだと思わせる。グレン・フォードとラッセル・クロウ。一見していい人に見えるという点ではグレン・フォードの勝ちだ(笑)。そして、このリメイク版は人がかなり殺されてる。
冒頭からダンの息子たちがかなりクローズアップされてるのも事実。特に14歳の長男ウィリアムは勝気で勇ましい。
オリジナルでは描かれてなかった、ダンの家からコンテンションまでの道のりをかなり詳細に描いていて、護送に同行するのは、バイロン(なんと、ピーター・フォンダ)という賞金稼ぎと彼の怪我を治した医者(実は獣医)が追加されていた。しかも、その追加の二人も命を落とし、おまけにベンが暴れたときにダンの息子ウィリアムが助けに入るのだ。凄いぞ!少年。しかもドッジシティの売春婦の話に生唾を飲み込むほどお年頃・・・彼の存在があるため、今回はアリスがコンテンションまでやってこないのね(あれは意味なかったようにも思う)。
それにしてもベンの凶悪ぶりはバイロンだけでなくタッカーも殺してしまったことに表れている。それもフォークでめった刺しにして・・・なんだかホラー映画風味だったりもする。そのタッカーはダンの家に火を放った張本人!そして、手錠を切るために一旦は逃げ出したベン。護送の一行が乗る馬をも盗んで、中国人が働く鉱山に入るが、そこではベンを仇として憎む奴もいて、拷問されていた。護送団がようやく鉱山にたどり着いて、ベンを救い、鉱山を逃げ出すという展開。その直前にはアパッチのくだりもあったりするが、インディアン蔑視のため衰退した西部劇へのアンチテーゼなのかもしれない。
コンテンションのホテルに到着し、ベンがダンを多額の金で誘惑。金の魅力にどんどん汗を噴き出すところも演出・演技が優れていた。そして、息子ウィリアムの存在が大きくなり、息子たちに蔑まれた目で見られた父親の名誉回復といったテーマの比重が大きくなる。悪を野放しにできないと言ってた台詞も、ベンに「頑固者!」と言われてようやく重たい口を開き、次男マークが結核にかかり、乾燥した土地でしか生きられないとか告白を始める。短い時間の間にベンのダンに対する友情が芽生え、手下の人数がどんどん膨れ上がるのに、自分も協力して駅へと向かうのだ。
激しい銃撃戦を潜り抜け自ら囚人用の車両に飛び乗ったベン。そこへ残忍なチャーリー(ベン・フォスター)を筆頭にダンの前に立ちはだかる。ベンの「やめろ!」と制止する言葉にも耳を貸さず、ダンを射殺・・・オリジナルと全く違う、涙なしでは見られない展開となった。「俺には誇れることが一つもない」との最期の言葉。列車まで護送するという名誉をこの男に与えてやらねば自分の男がすたる。何しろ、ウィリアムがずっと睨みつけているのだ。そして、ベンは自らの銃で仲間を全員撃ち殺してしまうのだ。ウィリアムは銃口をベンに向ける。が、撃たなかった。うん、これじゃなきゃいけない。ウィリアムが撃ってしまうと、彼の人生も変わってしまうはずだ。撃たれなかった・・・だからこそ自らもう一度檻の中へと戻ったベン。このシークエンス最高!全く違った結末だったけど、オリジナルを完全に超えた。
親になればわかる
かっこいいとか悪いとか関係ない
身をもって実行しそれを見せつける
言葉でなんか届かない
ただ信じて行動するだけ
根っからの悪党さえ変えるほどの信念を持って
その志は死にはしない
自分に出来るのだろうか
言葉よりも行動で示すなんて
楽なことじゃないのは分かる
口下手な私はそうするしかない
信念など何もないが曲がったことは好きではないから
茶番劇に翻弄される部下
まるで日本の少年マンガに登場するようなダークヒーローを演じるラッセル・クロウがお世辞にも男前に見えないながらの男前で渋い役柄を演じる反面、クリスチャン・ベイルが完全なる男前なのは一目瞭然で情けなく見えないけれどそこにコンプレックスを抱き、父親の威厳を保とうとする役柄を渋さ全開で演じている。
徹底して悪にはなりきれない正義一直線でステレオタイプなキャラクターでもあるウェイド、ダンに同情し手助けする側になる終盤が滑稽に思われ、あれだけ慕っていたチャーリーがウェイドの茶番に付き合った挙句のオチが惨めで可哀想になる。
原作が『ジャッキー・ブラウン』のエルモア・レナードでありながら男の美学を都合よく単純明快に描いているようにも、オリジナルの『決断の3時10分』との違いが気になりながら全体的に飽きずに楽しめる。
関係があるようで全くないけれどマイケル・マンの『パブリック・エネミーズ』がイマイチだっただけにラッセル・クロウが演じたウェイド役はジョニー・デップで、単にラッセル・クロウが個人的に嫌なだけではあるが、今回で三度目の鑑賞ながらピーター・フォンダに気付かないままで観てしまった!?
ラッセル・クロウの悪漢ぶりが見もの
ネットで視聴。
西部劇。
舞台は南北戦争(1861-65年)が終わって間もないアリゾナ。
3時10分発のユマ行きの列車に、逮捕した強盗団の首領を乗せるため、遠方の駅まで護送する主人公一行と、首領を取り戻そうとする強盗団の追跡劇。
そこに主人公と息子の葛藤劇を絡める。
見どころは強盗団の首領ラッセル・クロウの悪漢ぶり。
いやらしいまでの存在感を発揮。
主人公役はバットマンでおなじみクリスチャン・べール。
健闘するもののちょっと影が薄いのは、相手が悪かったか。
中身が濃くて波瀾万丈で、最後まで楽しめる一篇。
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