キングダム 見えざる敵のレビュー・感想・評価
全25件中、21~25件目を表示
熱いものがいっぱい
かなり強引なところもあるのは、他の皆さんも書いてるところではありますが、それを差し引いても、リアルで迫力満点の銃撃戦、フルーリーとアル・ガージーの国を超えた男の友情と熱いものがいっぱい。ピーター・バーグ監督の作品は初めて見ましたが、この臨場感と緊張感はしびれますね。多少疲れますけど……。
そして、ラストのセリフにガツン!とやられました。アメリカ人が主人公だから、どうしてもそちらよりになってしまうのは仕方がないけれども、その中でも極力「アメリカだけが正しい」ということを避けようとした努力は十分に見受けられました。その点も、すごく新鮮でした。
凄まじいの一言。
『凄まじいな…』観終った後、こんな言葉しか出てこなかった。『ドキュメンタリーか?』と言いたくなるような、重厚な作り。と、同時にこの映画は、一級品の“アクション・エンタテインメント”です。
1時間50分の上映時間の間、ず~っと息が詰まったままの緊迫した状態で観ておりました。臨場感満点の爆発&銃撃シーンに、緊迫感溢れるストーリー。次の展開が予測できない、『誰がやられるのか?』こんなに張り詰めたまま映画を観たのは、吾輩初めてではないでしょうか?『この映画は、サウジ(中東)で撮ってきたドキュメンタリー・フィルムです』って言われても、充分通用する内容だと思います。しかし冒頭にも書いたように、この映画はアクション映画としても“一級品”であり、極上の“エンタテインメント大作”に仕上がっています。それは製作を務める“男映画”の巨匠マイケル・マンと、そのテイストを引継ぎつつも、見事に自らのスタイルに昇華させた、俊英監督ピーター・バーグによる確かな演出。そして2人のオスカー俳優、ジェイミー・フォックスとクリス・クーパーを筆頭にした俳優陣の、重厚かつ迫真の演技によってもたらされたモノだと思います。
こんなのを観てしまうと、『この世からテロは絶対無くならんわ』と思ってしまいます。如何に希望を持って世界平和を願おうと、地球上には様々な思想、宗教、民族が存在し、それぞれが事あるごとに互いを非難し合い、『自らこそが正義』と主張するのですから、どだいムリな話です。『同じ人間同士』とは言いますが、思想次第で『まったく異なる生き物』とお互いをみなしている訳で、そしてそれは子々孫々の代へと語り継がれていくのです。この映画のラストは、正にそのことを象徴するシーンです。どちらにも、正義は存在しないのです。そしてそのことに互いが気付かないでいる。絶望的ですね。果たして、この戦乱が地球上から消え失せる日は来るのでしょうか?
一見テーマが重い暗そうな作品ですが、一級のアクション映画です
サウジアラビアの首都リヤドの外国人居住区で突然銃の乱射が、現地の警官により犯人はすぐに射殺されるも、別の男が自爆する、、幸せな風景が一転して悲惨な現場になってしまう。
現場を捜査する警官、FBI捜査官、救護される負傷者達、、、多くの人が集まっていたその場で新たな大爆発が起こった!!
その光景を遠くから見ている謎の老人と子供、、、、
始まりから怒濤のアクションシーンの迫力に目が釘付けです。
この事件は直ちにアメリカのFBI捜査官のロナルド・フルーリー(ジェイミー・フォックス)の元に連絡が入った。
なんと死傷者300人を超える犠牲者の中に仲間のFBI捜査官も含まれていたのだ。
首謀者はアルカイダ・メンバーのアブ・ハムザと目される中、両国は穏やかな解決を望んでいた。
しかし、ロナルド・フルーリーは仲間の命を奪ったテロを許す事が出来なかった。
(なんとも人間とは勝手なもんです、、、人の命は同じなようでそうではない、、、やはり仲間が殺されると許せないのでしょうか、、、)
強引に捜査に向けて精鋭チームを結成し、サウジアラビアに向かった4人、、、しかし、現地の対応は非協力的で、まったく捜査をさせてくれないのであった。
彼らの監視役のアル・ガージー大佐は、子供の頃に見ていたテレビ番組「超人ハルク」に影響を受けて悪を許せぬ正義の志を持つ男であった。
アル・ガージー大佐の協力で王子に直訴し、全面的に捜査権を得たFBIチームはテロの本拠地に乗り込み、壮絶な銃撃戦を繰り広げる。
(この銃撃戦の迫力が凄いのだけれど、ちょっとエンタテイメントを意識しているのか、あり得ない感じ丸出しです(^o^)ロケット弾が飛んで来ているのにかすり傷ひとつなく逃げ切る主役達には、冒頭でのテロシーンのリアル感はありません、、、)
拉致された仲間を助ける為に入ったアパートの別室でおびえる幼児女性老人の一家の中からアブ・ハムザを見つけ出すアル・ガージー大佐、、、、そして彼らの運命は、、、、
とにかく冒頭のテロシーンと終盤の銃撃戦の迫力は、もの凄い物があります。
一見テーマが重い暗そうな作品ですが、一級のアクション映画です。
サウジアラビアのアル・ガージー大佐役のアシュラフ・バルフムが、とても良い存在になっています。彼とロナルド・フルーリー(ジェイミー・フォックス)との間に生まれる友情関係がとても素敵です。
アシュラフ・バルフムが孫に伝えた言葉、、、
「大丈夫、仲間が奴らを皆殺しにしてくれる、、、」
ロナルド・フルーリーがテロで殺されたFBI捜査官の妻に言った言葉、、、
「必ず、奴らを皆殺しにしてやる、、、」
断ち切る事の出来ない不毛の連鎖、、、、
国と国、宗教の問題ではなく、仲間や家族が殺される事による復讐、、、
罪を憎んで人を憎まず、、、やはりそれは無理なのだろう、、、、
戦争もテロも無くなって欲しいと思う、、、
しかし、妻や子供が殺されたら、相手を許す事は出来ない。
裁判などではなく、この手で相手を殺してやりたいと思うだろう、、、
心を揺さぶるラストシーン、、、
思わず涙する人達も目立ちました。
映画を観終わってから、色々な事を考えてしまいました、、、
多くの方に観て欲しい映画のひとつかもしれません。
シビアな結末
中東と欧米の対立は、日本人の私たちには理解しにくい問題だが、分かりやすく説明されている。また中東でもテロリストを脅威とみなし排除しようとしている側面があることも改めて知らされる。激しい銃撃、爆破シーンなどでエンタテインメントであることも意識しつつ、中東で進行している現実をドライに描いた作品だと思う。
サウジに入ってから、常に襲撃と隣り合わせという危機感を私も感じながら見ていた。クライマックスの銃での戦闘シーンは圧巻。
今この瞬間も動いている現実を描くだけに、後味のよい結末を作ることはできないだろう。使い古された言葉だが、憎しみの連鎖はテロリストを殺しても断ち切れない、ということを思い知らされる。
ストーリーは予想が付きますが、それでも怖いです。
休日のソフトボール大会が開かれていたサウジアラビアの外国人居住地区で、自爆テロが発生。多数の外国人が犠牲となる。危険を理由に国務省がFBIの現地訪問に難色を示す中、現地サウジアラビアに、4人のFBI捜査官が捜査に赴くことに。しかしながら、現地でも歓迎されない雰囲気で、現地警察は冷淡な態度。しかも許された活動期間は5日間。そんな状況で、4人のFBI捜査官は果たして事件を解決に結びつけることが出来るか?
ジェイミー・フォックスが、4人のFBI捜査官のリーダ ロナルド・フルーリーを演じます。手を変え品を変え、文化の違う異国の地で、現地警察の協力を得て行きます。中々、いい演技です。流石にオスカー俳優です。
4人の中の紅一点、ジャネット・メイズを演じるのが、出産して復帰したばかりのジェニファー・ガーナー。イスラムの地での事件に女性の捜査官が行くという設定にしたのは、文化の違いを見せるためなのでしょうか? でも、どう言う意図があったにせよ、あまりそう言うシーンはありませんでしたねぇ。
しかしながら、何と言ってもこの映画で意味のある配役は、サウジアラビア国家警察のアル・ガージー大佐。アシュラフ・バルフムが演じています。最初は、FBI捜査官たちに冷淡な態度をとっていますが、徐々にフルーリーと心を交わすようになり、最後の最後では、非常に重要なシーンを演じています。彼が居ることで、この映画は締まりました。
映画の撮影は、流石にサウジアラビアでは出来ないので、アリゾナ州フェニックスで多くの撮影をしています。ここのアリゾナ州立大学の敷地にリヤドの街のセットを作ったそうです。いやぁ、セットだとは思えなかったです。サウジアラビアでの撮影は実現していませんが、アラブの地としてUAEでの撮影が行われています。ここのエミレーツ・パレス・ホテルが、サウジの王子の宮殿として撮影されています。
9.11以降、こう言うテーマの映画が多いですね。アラブの地で、アメリカ人がどのように見られているかと言うことが良く分かります。まぁ、それが今のイラクやアフガニスタンを作り出しているのかもしれませんが。この映画では、途中、フルーリー捜査官の尽力で現地警察の協力が得られるようになって、物語は一気に解決の方向に進んでいきます。この手の映画にありがちですが、最後は派手な戦闘シーン。犠牲を出し、危機に陥りながらも、何とか解決に導くと言う定番の終わり方。そして、最後の最後のシーン。フルーリーのセリフと、サウジの少年(?)のセリフ。うーん、怖いですねぇ。こう言う連鎖はまだまだ続くという事を連想させます。テロとの戦いは、終わらないんですね。
全25件中、21~25件目を表示