「男のロマン~!!」ミッドナイト イーグル mori2さんの映画レビュー(感想・評価)
男のロマン~!!
厳冬の北アルプスを舞台に、国家存亡の危機に立ち向かう男たちを描いたアクション巨編。L.Aでワールドプレミアをやっちゃうなど、かなり気合が入っておりますが、果たして出来上がりの程は如何に?
この手の作品を日本映画が作ると、これまであまりロクなことがない(話のスケールに、映像が付いて行けてない。SFXが妙にショボい…etc)ような気がしまして、この映画も観るまでかなり不安でございました。で、実際に観てみますと、残念ながら、かなりの部分でこの不安は的中してしまっております(>_<)。『墜落したミッドナイトイーグル(のセット)が、哀しいほどチャッちい!』とか『銃撃戦のシーンが、Vシネマみたい』と言った映像に関するツッコミに始まって、『何で北アルプスに、あんなにウジャウジャ工作員がおるん?』『自衛隊、弱すぎ!』と言ったストーリーへのツッコミ。そして極め付けは『国家存亡の非常事態の記事を、取材する記者役が何で竹内結子やねん…。リアリティ無さ過ぎ!』という、基本設定へのダメ出し(^^;。『ガンバってはいるんやけど、やっぱり難しいのかな~。残念やなあ』という思いを抱えて、観ておりました。
が、しかしこの映画ラスト30分の辺りから、観ていて思わず目頭が熱くなってしまうようなシーンが展開されるのです!そうそれは『俺たちのことは構わず、敵を倒せ!』というお決まりのパターンではあるのですが、この“愛する者の為に払う自己犠牲の精神”というモノに、吾輩特に弱いのです。大沢たかお演じる西崎と吉田栄作演じる佐伯三佐が、敵と繰り広げる銃撃戦のシーンには、あの名作・「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」に於ける、真田さんと斎藤の白色彗星内部での壮絶な絶命シーンとオーバーラップして、吾輩試写室で号泣一歩手前まで行ってしまいました。これは、男の命を懸けたロマンを描いた、壮絶な映画です。だからこそ余計に、そこへ行くまでの過程が残念ですね。ホント、ガンバッてるのはとてもよくわかるんですが…。