劇場公開日 2007年9月29日

「小さなスズメの壮絶な人生」エディット・ピアフ 愛の讃歌 あっきゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0小さなスズメの壮絶な人生

2024年12月31日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

エディット・ピアフを初めて知ったのは「プライベート・ライアン」で決戦前に彼女のレコードを聴きながら皆が故郷に思いを馳せるシーンだった。「薔薇色の人生」などで有名な稀代のシャンソン歌手だと後で知った(個人的には「群衆」という曲のリズミカルな感じが好き)。142cmと小柄なことから「ピアフ=スズメ」と芸名が付いたらしい。晩年の写真から年老いてまで活躍したとばかり思っていたが、まさか47歳で早世したとは。それほど身も心も酷使したのだろうか。
奔放に生きて来た彼女がボクサーのマルセルに抱く純愛。そのマルセルが飛行機事故で急死した時の取り乱し方、そして半狂乱のままよろよろ歩いていった先には満席のステージがあり、絶望で両手を掲げた姿のまま「愛の讃歌」の絶唱に繋がっていく。映画全体は時空を行き来するありがちな伝記モノと感じたが、この場面はあまりの名シーンぶりに胸が突き刺され、鳥肌が立った。
主演のマリオン・コティヤール、もうピアフ本人にしか見えない。と思ったらその年のオスカー主演女優賞を取っていた。

あっきゃん