私がクマにキレた理由(わけ)のレビュー・感想・評価
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好きな女優さんだけど、合ってない
『メリー・ポピンズ』は見たことがないのですが、明らかにそれを意識して傘につかまって空を飛ぶヨハンソンのシーン。残念ながら、彼女の表情にはファンタジーのかけらもありません。
世話をする子供と知恵比べをするシーンで、スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャスと言う長い単語を言ってのけるのも『メリー・ポピンズ』由来の言葉。
そんな彼女に、母親が投げかける言葉”get your feet on the ground, young lady”「地に足をつけて生きなさい」まるで届かない忠告は無視されて、アニーは空高く、現実から足をそむけてしまいます。それを皮肉たっぷりに、メリーポピンズを引用して、ふわふわと街を漂うスカ=ヨハの何とも似合わないこと。
はっきり言って、彼女にコメディのセンスはあまり見当たりませんね。これがゾーイ・デシャネルだったら、表情一つで、観客を引き付けてしまうのに。
ヨハンソンは、眼力(めぢから)が強すぎて、ブラック・ウィドウのような、強い女はバッチリ演じますが、今作のような、シニカル・コメディには、向いてないようです。エレベータでのクリス・エヴァンスとの出会いのシーンも、本来ならもっと笑えるはずのシチュエーションです。おしりを丸出しにされたいたずら小僧に逃げられ、偶然クリスに目撃されるのですが、彼女の目的意識(子供にドアを開けさせる)が強すぎて、今自分がどれだけ恥ずかしい格好をしているかを、観客と一緒に忘れてしまうのです。
クリス・エヴァンスと、スカーレット・ヨハンソンという、すごすぎるキャスティングも、ただの偶然だったようで、この映画を公開した時点ではアベンジャーズの片鱗も見えません。
『ヘルプ~心がつなぐストーリー』という名作が、くしくも上流階級の子供を、他に仕事のない黒人女性が愛情たっぷりに育てることで、人種や偏見を打ち破っていく様子を見事に描き出しましたが、この映画は、それよりも早く、現代の上流階級が、いかに矛盾にあふれ、惨めな思いを抱えているかに着目しています。主人公は人類学を専攻し、アッパーイーストの白人の子育ては人類史上最も滑稽なスタイルを取っていると知りながら、それにはまり込んでしまうお人好し。
最近、世を騒がせた『逃げ恥』も、高学歴が意味を成さず、職探しを妥協してお手伝いさんに身をやつすという初期設定がありましたが、女性が社会進出をしようとすれば、必ず子育てという「関門」が付きまとうわけで、高収入の夫は家庭を顧みずに事実上の一夫多妻制を実現し、離婚した妻たちはワーキング・プアとして自らの人生を犠牲にして子供を育てる(この映画ではアニーの母親が看護師として働きながら子供を大学まで行かせた)という矛盾がニューヨークにもあるんですね。
とてもユニークで、素晴らしい脚本だと思いますが、子役の男の子は魅力不足、それからスカ=ヨハがミス・キャスティングだと思いました。本当は大好きな女優さんなのに。。。
邦題の『クマにキレた理由(わけ)』は、ずいぶんシャレたタイトルですね。原題「THE NANNY DIARIES」じゃ、はっきり言ってワケ分かんないですものね。いろんな意味で残念な作品でした。
証券会社のジェット機に米政府がキレた理由
本作は大学卒業後、証券会社への就職に失敗し、ひょんなことからセレブの子守となってしまった女の子のひと夏を描いた作品。
子守と子供の映画といえば「メリーポピンズ」が有名で、本作でもチムチムチェリーや傘マークといったその象徴が意図的に使われている。このハッピーなおとぎ話に反して、現実とくにセレブ家庭の実情は、こんなに問題山積じゃないかというセレブ批判が映画のテーマ。それはそれなりに面白いし、最後の最後でヒロインのスカーレット・ヨハンソンがブチ切れて、セレブ家庭を崩壊させてしまうところも痛快である。
ところが本作を現在見る場合、もうちょっとひねった見方ができる。舞台となるのがセレブの住む高級街区マンハッタン・アッパーイーストサイド、雇い主は合併がどうしたこうしたと忙しい証券会社社長である。夫婦は王侯貴族並みに贅沢な暮らしをしながら、ヒロインなどろくに人間扱いせず、安給料で滅茶苦茶にこき使う最低の人種として描かれている。
映画の全米公開は2007年8月。この頃にはすでにサブプライムローンの危険性が噂されてはいたが、リーマンブラザーズはせっせと買い込み、翌2008年9月、あっけなく破綻してしまう。俗にいうリーマンショックだ。破綻した金融会社は多数で、その後、政府から公的資金補助を受けることになったが、その公聴会の際、自家用ジェットで来たCEOたちがいたことから、政府に怒鳴りつけられたことは有名である。「政府がジェットにキレた理由」は、本作のヒロインがキレた理由と同じだろうw
すごく楽しかった!
フラストレーションを蹴っ飛ばせ!
就活難航中のアニーブラドッグはひょんなことから上流階級の家庭に住み込みのアニー(子守)として雇われることになった。
常識や価値観の違いに翻弄されながらも恋に仕事にイライラに奮闘するアニーを描いたコメディ作品。
現代のハリウッド女優代表の一人、スカーレットヨハンソンの若かりし頃の1作。
のちのキャプテンアメリカであるクリスエヴァンスとのロマンスを描きつつ、自分のプライドやセレブ会のママたちの目ばかり気にする勘違い妻、仕事仕事ばかりのうえ、ろくにアニーの名前を覚えないくせにセクハラばかりしてくる社長の夫、その2人に挟まれ奴隷扱いされたり、嫉妬による当て付けを受けたりと1時間超に及ぶフラストレーションの先に、酒をキメ、監視カメラに不満を捲し立てるスカヨハが痛快な内容笑。
ラストはスカッとするけどそれまでの件が少し冗長だったかなと感じた。
スカヨハのハスキーな声で終始語り口調で綴られる為、飽きない点と若かりし頃のナターシャロマノフとスティーブロジャースがこんな形で共演していたという点が良かった笑。
【華やかなれど愚かしき”アッパーイーストサイド”の夫婦から”ナニー”が学び、アッパークラスの夫人に教えた事。”メリー・ポピンズ”に敬意を表した作品でもある。】
一夏、”ナニー(子守)”(スカヨハ)になった人類学を学ぶ”アニー”がアッパークラスのミスター&ミセスX(ローラ・リニー:良い)の日々の行動、言動を見て呟く言葉が秀逸である。
”何もかも、手に入れている人たちが、何故あんなに惨めなのか・・”
■今作がヒューマン・コメディとして素敵なのは、”ナニー”の目を通して観たアッパークラスの人達の生活を面白可笑しく見せる中で、とても大切な事をさらりと随所で描いているからなのは、明白であろう。
・ミセスXから”ナニー”に提示されたグレイヤー君(金髪でお茶目で我儘だが、憎めない可愛い男の子:今作を素敵な作品にしている子役さん。)の子守をする上での”規則1-8”の何気に愚かしき事。
・グレイヤー君と”ナニー”との可笑しき遣り取りの後、グレイヤー君が寂しそうに呟く”パパは帰って来ても、直ぐ寝ちゃう・・”という言葉。そして、ミセスXも高熱を出しているグレイヤー君を残して・・。
<”ナニー”ではなく”アニー”がテディ・ベアに向かって言い放った言葉の素晴らしき事。
自らの愚かさに気付くミセスXじゃなかった”アレグサンドリア”。
邦題も秀逸なヒューマン・コメディの佳品である。>
■そして、”ナニー”は人類学を学ぶ”アニー”に戻り、ミセスXじゃなかった”アレグサンドリア”も、新しき未来へ足を踏み出す・・。
アニーは”キャプテン・アメリカ”とも、恋人になれたしね!
幸せとは
終盤に(タイトルにも)不満
前半は特に不満もなく楽しんで鑑賞していましたが、徐々に理不尽な雇い主に不快さだけ感じるようになりました。
ストーリーも変に円満解決してしまい、納得が出来ませんでした。
この映画の言いたいことは「お金があれば幸せというわけではない」だと思いますが雇い主は単にワガママなだけなので、その伝え方を間違っていると思います。
私には金持ちを最低に描いている映画に見えました。
子役はとてもかわいいし、子供がかわいくて仕事が辞めれないナニーにも共感出来ました。
ですが、12階の彼がアニーにそんなにも惹かれた理由があまり共感出来なくて、もう少しそういうシーンがあればよかったです。
地味ぃ~に、アッセンブル!(笑)
サンテレビ「シネマスタジアム」で鑑賞。
スカーレット・ヨハンソンがキュートな魅力を振り撒いてました。お若い!(笑) 今は“美しい”ですが、この頃は“かわいい”という形容詞の方が当て嵌まるなと思いました。
主人公がナニーとして奮闘する姿を応援したくなりました。グローバーとの交流に心が温まりました(笑) ふたりが仲良くなっていく様が、王道な展開ながら楽しく観れました。
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ナニーの仕事先のマンションには、なんとなんとキャプテン・アメリカが住んでいました(笑) ここですでに出会っていたんですねぇ…(笑) このふたり、意外と共演作多いよなぁ…?(笑) 一瞬、「ん? 『アベンジャーズ』かな?」と思いました(笑)
素敵なヒューマンドラマ
タイトルからは想像できない内容
ナニーでアニー
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