ひなぎくのレビュー・感想・評価
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食べること、食べるを冒涜すること、
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おじさまたちにご馳走させて、おいしいものをたくさん食べて笑い、家の中で好き放題果物を食べたり、牛乳風呂に入ったり、彼女たちの食欲は止まることを知らない。
後半で、党のパーティーに忍び込み、ご馳走を楽しく食い散らかす。手でソースを鷲掴みしたり、、どんどんエスカレートして、ケーキを食べては互いの顔面に投げ、最後はテーブルもその上の食事もぜんぶぜんぶ踏み潰してランウェイのように歩き回る。そのうえ、2人を照らすシャンデリアに乗り、落として壊す、混沌。ここまでくると、食べるという表現に、嫌悪感すら感じられる。でも、おそらくその嫌悪感は正しくて、当時のチェコの
政治を、その政治を動かしている党への何らかの批判が現れているのではないか、と、そう感じた。
楽しくておいしい「食べる」を冒涜しなければいけないとき、そこには何が暗示されているのだろう。ポップで可愛いガールズムービーという裏に隠された政治的メッセージは何なのだろう、(当時のチェコは政治的なメッセージはそんな可愛い女の子映画で包み隠さねばならないほど検閲などが厳しかった、?)そして、罰として、自分たちで掃除をする。でも破壊されてしまったものは、当たり前に元に戻ることはない。
映画の最後、「サラダを踏み潰されただけで怒りを感じる人にこの映画を捧ぐ」というメッセージは、おそらく当時のチェコの社会状況、政治、党について知識がないときっと読み解くことはできない。
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