「そのメッセージは覆い隠さないと放映できない」ひなぎく カメさんの映画レビュー(感想・評価)
そのメッセージは覆い隠さないと放映できない
個人評価:3.2
これほど社会性が強い作品は滅多に無い。
その強烈なメッセージを、ポップなガールズムービーというパッケージで覆い隠す。そうしないとこの時代は放映できなかったのだろうか。
女の子映画の決定版という間違った冠は、誰がつけたのだろう?政治に興味を引かない普通の人達にもメッセージを届けたい監督の意向を、まだ現在もメディアを通し汲んでいるのだとしたら納得する。
最初は自由を奪われた姉妹や市民の願望を投影しているのだと見ていたが、最後のシーンで政治の不安定なチェコスロバキアで至福を肥やす政権側の目線で描いているのかとも感じさせる。
晩餐会でチキンやケーキを踏み潰し、最後に自ら粉々にした惨状を掃除させられ、さらにシャンデリアが姉妹に落下する。踏み潰された晩餐会の惨状にテーマを詰め込み、ラストに「踏みにじられたサラダだけを可愛そうと思わない人にこの映画を捧げる」。
この暗喩に込めたメッセージを正確に紐解くには、もっと勉強が必要だ。
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