「圧倒的ワースト1位」デス・プルーフ in グラインドハウス 秀さんの映画レビュー(感想・評価)
圧倒的ワースト1位
まず、この作品と自分は相性が良くなかった。このレビューで、この映画を絶賛する人のことを貶す意図はないので、悪しからず。
今までに観た映画で最もつまらなかった。特にオチがどんでん返しで痛快だと言う評判だったので最後まで観たが、リアルに「はぁ?」と声が出てしまった。「ユージュアルサスペクツ」や「メメント」、あるいは「シャッターアイランド」の様な展開があるのかな?と期待を寄せていたので、失望は大きかった。皮肉ではなく、この映画を傑作、笑えると言う人にぜひ魅力を教えてもらいたいと思ったほどである。
主要な登場人物は主人公と2つの女グループ。
●スタントマン・マイク(主人公)
職業スタントマン。変態キチガイ殺人鬼。スタント用の頑丈な車を使い殺人を企てる。気に入った女を車に乗せて殺したり、事故らせて殺すサイコパス。しかしその信念も、過去も、殺人鬼になった経緯すら何も作中では語られない。返り討ちにされそうになると超弱気、命乞い。物語冒頭では渋いオヤジっぽいクールさがあったが、終盤は見る影もないので、かっこよく表現したいのか、その逆なのか一貫性がなく、ダサすぎる。演じたカート・ラッセルがかわいそうとすら感じた。
●女達(前半組)
イケイケの4〜6人組女グループ。馴染みの店で飲んで帰る途中、主人公の車に衝突され全員殺される。冒頭から40分、彼女らのガールズトークを延々と聞かされる。しかしその内容に物語を深くするような発言や伏線は一切なし。死ぬシーンはグロ描写。
●女達(後半組)
前半の事件から14ヶ月後。アメリカの田舎でどうしても乗りたい車に試乗させて貰う女グループ。身体能力高い。試乗車でアクロバット運転を楽しんでいたところに主人公キチガイが登場。カーチェイス。やられそうになるも、逆に主人公を追い詰め、命乞いする主人公を普通に殴って殺害(半殺し?)。最後は顔面にかかと落とし。THE ENDの文字。
(……?え……なにこれ。)
物語に関係ないガールズトークを前後半、延々と聞かされ、唐突な殺人グロシーンを観せられ、ラストにダサい主人公は女達に「普通に」やっつけられる。どんでん返しはなく、ストーリー性、意外性、設定の緻密さは皆無。「その支離滅裂さ!雑さ!理不尽さがいいんだよ!」と言う人がもしいれば、映画を観る感性、映画に求めるモノが私とあまりに違う。少なくとも私はこの映画に「鬼才タランティーノ!!」と賛辞を送る気分には全くなれない。始終、悪い意味で期待を裏切られ続けた映画、0点。