「頑張れ!」ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 アッキー30さんの映画レビュー(感想・評価)
頑張れ!
10年前の劇場版を見たあとは、腹が立って
夜、眠れなかったくらいでした。
「あんな映画に大金つぎ込むなんて、バカらしい」
「それを喜んでみている人間にも腹が立つ」
テレビ版の最終回の尻切れトンボの終わり方に
カチンときて、映画で完結させる、と話を聞いた時は
視聴者をバカにしているとしか思えませんでした。
今回、新劇場版をやると聞いて、またお金の無駄づかいか、
と思っていたところ、「ハッピーエンド」に向かう話と
聞いて、気持ちを動かされ、見に行きました。
観て、思ったのは、10年前、釈然としない思いを味わって
いたのは、やっぱり自分だけじゃなかったということ。
訳も分からないままエヴァに乗り込まされて、
やれ臆病者だの、逃げるななどと大人から一方に押し付けられて
崩壊していく主人公。無理もないし、あれだけ必死になってるのに
誰も「頑張れ」の一言もいってあげないのは何でだ?と
理不尽な状況に頭にきていましたが、
今回は、友達から励ましの電話があり、戦いを見守る人々、
主人公の戦いをサポートするネルフの人間が、きちんとした
人間として描かれていました。
「頑張れ!」
理不尽な状況に押し込まれた主人公が震えながら立ち上がろうと
する姿をみて、もっと「頑張れ!」って応援したくなりました。
前の映画を観ている人はもちろん知っているでしょうが、
これから主人公には死ぬほうがマシのような現実が
襲いかかります。
ネルフやゼーレの描いた計画に飲み込まれるだけだった10年前。
今回、主人公が震えながらでも立ち上がった姿を見て、
ほんのわずか、未来に希望が見えました。
僕は、シンジを「頑張れ!」って応援してあげたい。
この10年間、ずっと「エヴァンゲリオン」にむかついて
いました。
「ヱヴァンゲリヲン」はそうはならないかも、知れません。
頑張れ! 一人で戦ってると思うな! みんながついてる!
これは、子供たちみんなに親が言わなければいけない
メッセージなのではないかなと思いました。