劇場公開日 2008年6月7日

「究極の三谷ワールド」ザ・マジックアワー SAOSHIーTONYさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0究極の三谷ワールド

2011年5月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

単純

興奮

テレビでやたら「三谷幸喜 最高傑作!」と言っていたのですが、正直、半信半疑でした。しかし、いざ観てみたら「最高傑作」とまではいかないものの、本当に面白い作品でした。

暗黒街のボスの愛人に手を出してしまった青年が、そのボスから命を奪われない条件として伝説の殺し屋を連れて来くるように命じられるのですが、青年はある売れない俳優を映画の撮影と称し殺し屋役を無理やり演じさせます。

今までの三谷作品同様、キャスティングは完璧です。
主演の佐藤 浩市さんから数秒しか登場しない大物俳優まで個々の役割をきちんと果たしたまさに、パーフェクトなものでした。特に寺島 進さんがハマリ役で大好きでした。

正直、はじめの30分はどうなかと思いました。笑わせようとしているのはわかったのですが、私を含め誰一人笑っていませんでした。しかし、佐藤さんがタキシードに着替えて颯爽と登場するシーンあたりから面白くなり、佐藤さんと西田さんがはじめて会うシーンは爆笑の連続でした。できることならこの二人のシーンだけをずっと観ていたかったです。それからその同じシーンで佐藤さんが“確かに”と言うのですが、その言い方が最近バラエティー番組によく出てくる某総理の孫に妙に似ていたのが、おかしくて仕方がありませんでした。

ところが、今までの三谷作品と同じレベルを要求すると痛い目に合うかもしれません。今回はただひたすら笑えるだけの作品ではなく、頭をフル回転させないと何がどうなっているのかわからなくなってしまいます。特に後半のあのどんでん返しは観た後にそれまでの展開を思い出さないと混乱してしまいます。しかし、そのカラクリがわかった時、この作品がどれだけ素晴らしいものなのかに気付くことでしょう!

まだ、ご覧になっていない方は究極の三谷ワールドを体感してください。

SAOSHIーTONY