劇場公開日 2008年6月7日

「大まかなストーリーはありがちなんだけど脚本の巧妙さにより気づくと三谷ワールドにハマってしまう」ザ・マジックアワー Sp!ke-Yさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5大まかなストーリーはありがちなんだけど脚本の巧妙さにより気づくと三谷ワールドにハマってしまう

2008年7月19日

笑える

「みんなのいえ」「THE有頂天ホテル」と日本映画のヒットメーカー三谷幸喜の最新作がついに登場したワケなんだけど今回もグランドホテル方式でとにかく俳優がよりどりみどり(>_<)一番はやっぱり市川監督の姿が最後に観れるということで映画監督役やんだけど撮影しているのは「黒い101人の女」(笑)これは「黒い十人の女」をもじったものだし三谷幸喜が監督に対する思いというかインスパイアされた監督への感謝の気持ちというものが染み出ていたようにも思えた(>_<)

 ストーリーは日本の連続ドラマやアメリカ映画なんかによくある替え玉ものだし三谷幸喜自身、脚本を務めた「合言葉は勇気」というドラマで香取信吾と役所浩司主演で役所浩司演じる俳優に弁護士のフリをさせるという設定が似ているから冒頭部分は正直言って不安だったんだけど...観ているうちに三谷ワールドにどっぷりとはまっていく自分がいた(>_<)

 確かに土台となる設定はベタなんだけど観ているうちに脚本の巧妙さに関心させられ心から引き込まれていく感覚に悔しさすらも覚えるほどだった(>_<)このベタにしてベタにあらずというのがすごいと思うね☆三谷幸喜は日本の古典芸を守りつつ新しさも加えてくるというところからも確実に日本映画の数少ないトップクリエイターと言うべき存在だということに改めて気づかされた(>_<)個人的には「王様のレストラン」の続きを映画化してほしい。

 今回は映画の舞台裏を描いているために業界情報に詳しければ詳しいほど潜んでいるネタを楽しむことができる。ひとつ例を言うとセリフの中に外国人に向かって「稲川素子事務所か?」ってシーンがあるんだけどこの稲川素子事務所は本当にあって「奇跡体験アンビリバボー」の再現ドラマや川崎実の映画の外国人タレントはほとんどがこの事務所に所属している外国人タレント専門事務所だけにこの元ネタがわかっていると笑えるセリフなんだよ(>_@)

Sp!ke-Y