劇場公開日 2007年9月8日

「中々映画してます!」サッド ヴァケイション mark108helloさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5中々映画してます!

2022年3月25日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

難解さは残る。しかし頑張って伝えようとしてる。不思議な映画では有るが好感は持てる。どことなく『ドライブインカー』に通じる雰囲気を感じた作品と思ったら、濱口監督も蓮見チュルドレン、青山監督も、黒沢監督もみんな蓮見チュルドレンでした。青山さんも十分世界を狙えるコンテキストを持ち始めていたろうに、実に実に惜しい監督をなくしました。

この映画は九州、特に北九州に特化した極めて内向きな映画です。それ故に日本の原点である、家(血筋)、土地、母親の3種の神器を描いた映画と言えましょう。配信で見れないものも多いみたいですが、レンタルなども併せてチョッとまとめて見てみたいと思いました。特に北九州3部作の残り2本。『共食い』も上手く作れていたのは山口と言う土地をよく理解して居ての事。日本と言う国が古代からも近代からもこの辺りから立ち上がっていく原点と言うかエッセンスをうまく掬い上げてその織物の様な、普通なら見向きもしないおりものをうまく顕在化している。これほど知的な監督はあまり存在しないが、手法的に前衛さが抑えきれてない点を考慮してこの星数。続けてこの作家の作品を見てみたい期待の3.5である。

mark108hello