転々 : インタビュー
吉高由里子インタビュー
「自分のことを女優とは思っていないので…」
(聞き手:編集部)
――映画のキャッチが“和道(なごみち)ロードショー”となっていますが、とても和やかな映画でした。やはり撮影中も和やかなムードだったのですか?
「皆さん本当に飾らない感じで、一緒にいる時間がすごく気持ちよかったですね。特に距離を置くこともなく昼食、夕飯も皆同じ部屋で一緒に食べてました。とても寒かったので、ひとつの部屋で4人で暖まってました。でも仕事の話はほとんどなくって、普段のプライベートの話とか、他愛もない話をセットの中でにぎやかにしてましたね」
――三木監督は細やかな演出で知られていますが、今回の役を演じるに当たって注意されたことは?
「オーディションではプライベートなことを聞かれただけだったんですが、本番ではひとつひとつすごく丁寧な監督で、私が監督のイメージに近づくまで演じてみて、ある程度近づいてから、テストっていう感じでしたね。本当に丁寧な方で、ぶっつけ本番で撮影とかありえない監督でしたね。監督は花やしきのジェットコースターにも何回も乗って、入念にチェックしてましたよ。ここでも丁寧だなあって思って、遠くから3回、4回って数えてました(笑)」
――自身でお気に入りのシーンは?
「自分が出ているシーンでは、温かさとしんみりした感じが一緒になった食卓のシーンなんですけど、映画全体で見ると、福原さんと文哉さんが出会ってからの情の動き、変化が描かれているなと思うので、そこに注目ですね。あとは、スーパーの3人(松重豊、岩松了、ふせえり)です(笑)。あそこは他の人では絶対まね出来ない面白さですよね。本当に色々な表情をもった映画だと思いますね」
――目標とする女優さんは誰かいるのでしょうか?
「自分のことを女優とは思っていないので、目標とする女優さんはいません。『私、女優やってます』なんて言えないので、警察に職務質問とかされたら、『センモン(専門学校)行ってます』とか答えます(笑)。実際にこの映画で早朝の公園でのロケ撮影があったんですけど、待ち時間に1人で音楽聴きながら頭を振ってたら、職務質問されたんですよ。ふふみはかなりテンションが高いので、音楽を聴いて上げていかないと自分では辛いんですよね(笑)。でも職務質問は三木さんの方が多いみたいですよ(笑)。3回くらいあったみたいです。『オレも職業聞かれて監督っていえないからさあ。うさんくさいじゃんオレ』って話してました」
――もし、刑務所に行くとなったら、最後に何を食べますか?
「生肉ですかね(笑)。馬刺し、牛刺し、レバ刺しが大好きです」