劇場公開日 2007年11月10日

「【愛国心を”暴走した一部の国家権力”に利用された哀しき男の物語。最終章。】」ボーン・アルティメイタム NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5【愛国心を”暴走した一部の国家権力”に利用された哀しき男の物語。最終章。】

2020年4月26日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、DVD/BD、映画館

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 <ボーンシリーズの魅力の幾つか>
 ・暴走した一部の国家権力を握った人間たちの、愚かさ、醜さが見事に表現されている所

 ・息をも尽かせぬ、街中でのカーチェイス&アクション。 及びその撮影方法。
  明らかに今シリーズから影響を受けたと思われる”ボーン前” ”ボーン後”作が、如何に多くなったことか。
  分かり易い所では、アクションの臨場感を際立たせるために、カメラを揺らしながらのチェイスシーンの撮影が、多くなった事。そして、高速カッティングが、多くなった事である。
 ポール・グリーングラス監督は元々社会、政治問題を扱った映画で名を挙げた人であるから、暴動シーンの撮影指示などはお手のモノなのだろうと、勝手に推察。
 今作の冒頭の駅の大群衆の中や、モロッコのタンジールでのチェイス&アクションなどの見応えあるシーンがそれを物語っている。

 ・ジェイソン・ボーン(マット・デイモン)が、自らと同様に哀しき暗殺者になってしまった者達との闘いの果て、相手が瀕死の場合には”憐れむような眼差しで”止めを刺さない所。

 ・自らの失われた記憶(アイデンティティ)を探し求めるリアルな人物造形。又、ジェイソン・ボーンが多くを語らない所。(表情、眼で語る。)

 ・各作品とも、破綻なき物語構成がきっちりテンポ良く、2時間以内で収められている所。無駄がないのである。

 今作では、”トレッド・ストーン作戦”をアップグレードさせた国を守るための”ブラックブライアー作戦”に関するCIA内部からの情報漏洩から物語は始まる。

<沁みたシーン>
 ・ニッキー・パーソンズ(ジュリア・スタイル)との再会。そして、今やジェイソン・ボーンの立ち位置を役割上、理解した彼女が取った行動。
 そのため、彼女が髪をショートヘアにするシーン。(あ、これ第1作でボーンと一緒に逃げる決意をしたマリーと同じじゃない・・)

 ・過去の記憶がかなり戻ったジェイソン・ボーンが呟く言葉。
 ”自分のしたことを謝りたい・・。何て人間だ・・。”

 ・ラスト、銃撃を避け、ビルの十階からイースト・リバーに飛び込んだジェイソン・ボーンが水中を漂ったあと、暫くして、静かに泳ぎ出すシーン。ニュースで、”ジェイソン・ボーンが川に飛び込んだ後、三日間、遺体が上がらない・・”というニュースを聞いたニッキー・パーソンズが静に微笑むシーン。

<この破綻がほぼなきシリーズがその後、映画界に与えた影響が大なのは、多くの人が知る所。(上記に記載した通り、撮影方法も含む。)
 クライム&アクションムービーに”革命”を起こしたと言っても過言ではない、作品群である。>

<2007年11月 劇場にて鑑賞>
<その後、様々な媒体で複数回鑑賞>

NOBU
talismanさんのコメント
2021年8月24日

NOBUさん、コメントありがとうございます!面白いですよね、このシリーズ!私も友達に教わらなかったら知らないまんまでした。スピンオフと一番新しいの見てませんが楽しみです!本当は映画館で見たいです。

talisman
talismanさんのコメント
2021年8月24日

ニッキーとマリー、重なってましたね🥲

talisman