「微妙に繋がらない」陰日向に咲く kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
微妙に繋がらない
『木更津キャッツアイ』の岡田准一と塚本高史、『純情きらり』の宮崎あおいと三浦友和、『釣りバカ日誌』の西田敏行と平山あや。一見、関係ありそうな彼らが微妙に繋がらない・・・
『純情きらり』では宮崎あおいに振られるという劇団ひとりが原作の映画。ギャンブルから足を洗えないバス運転手の岡田准一と、かつて漫才コンビを組んでいた母が恋した相方を捜す宮崎あおいの2人を軸に、それぞれの登場人物が終盤になって繋がりが出てくるという群像劇の手法はなかなか見事なものでした。
どこか日の当たらない人たちを描くということで、身につまされる思いになるのではないかとビクビクしながらの鑑賞となったわけですが、まずはパチンコ依存症の岡田准一を見ていてグサリ。パチンコの機種を見て、これは去年の梅雨頃のロケだとわかってしまうところが痛い。サラ金にまで手を出してる人も知っているのでかなりリアルに感じてしまいます・・・借金してまでやっちゃダメですよ・・・
後光が差しているかのような“モーゼ”を演じていたのは西田敏行。神は神でも貧乏神じゃないのか?とつっこみたくもなるのですが、『釣りバカ日誌』、『椿山課長の七日間』、『憑神』、それに『自虐の詩』(堤幸彦監督)と“ツ”で始まる映画が多かっただけにツキがなくなるんじゃないかとちょっと心配でもありました。まぁ、そのツキの無さは岡田准一のパチンコにも影響してやめる決心をさせることになるのかもしれません。
三浦友和の住む家は桃の木があった。桃と聞いて真っ先に山口百恵を思い出したりもするのですが、彼は桃の名産地でもある山梨県塩山市(現甲州市)出身。“塩山桃源郷”が有名なところです。そのためか、彼の桃の木を見つめる姿が妻を想ってか、故郷を想ってかわかりませんけど、ぴたりとハマっていました。
サブストーリーみたいな感じではあったけど、崖っぷちアイドルの平山あやを一途に応援する塚本高史のエピソードがとてもよかった。咄嗟の判断でケータイをかけるシーンや荒らしのような書き込みシーンが特に印象的。毎日納豆を食べて血液をサラサラにしなければいけないな~などと感じてしまったドロ・・・『キサラギ』ももう一度観たくなったドロ・・・