劇場公開日 2007年4月21日

「オーディションでNO.1になりイギリス留学したのは相原こずえ。同じNO.1でも“竜巻落とし”を決めるのは鮎原こずえだ!」神童 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0オーディションでNO.1になりイギリス留学したのは相原こずえ。同じNO.1でも“竜巻落とし”を決めるのは鮎原こずえだ!

2021年5月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 まず、コミックが原作らしいのでネーミングそのものが漫画的。主人公は中学生の成瀬うた(成海璃子)と音大受験を控えた菊名和音(松山ケンイチ)である。そして恋人になる予定(?)の声楽科の女子大生はカノンなのだ。“鳴らせ歌”、“聴くな和音”と音楽がらみで固めているのですが、八百屋の2階から聞こえるピアノの音がうるさいと怒鳴り込んでくるオバさんが“キク子”だったりする。ピアノの音が原因で殺人事件も起こったりするご時世なので心配になったりもするものの、弾いていた曲がベートーヴェンの「熱情」だったりしたので、本気で聴いていたために悪人にならなかったのかもしれません。

 公開当時、音楽映画が続いていたので個人的には嬉しいかぎりでした。天才的ピアノ少女の主人公が思春期という年代でもあり、ピアノを弾くのが嫌いになっている心理描写や、父親と同じ難聴になってゆく様子を繊細なタッチで描いていて、落ちこぼれ音大生と出会ったことにより、再びピアノを弾く喜びを見つける物語です。神童ならではの気難しい雰囲気や、うたの父が作曲した音楽に和むシーン、そして松山ケンイチの演技の上手さやピアノレッスンの成果など、見所はいっぱいあった。相原こずえ役の三浦友理枝もリヒテンシュタインも指揮者も本物の音楽家を起用しているのでリアル感も増します。さすがに貫地谷しほりの声楽だけは残念だった・・・ネズミのマスコットをつけたトランペットにすればよかったのに・・・

 ピアノ連弾の雰囲気や“ピアノの墓場”のセットなども完璧。墓場などというと不気味なはずなのに、父親(西島秀俊)の面影を追い求めるため主人公うたが音を鳴らすだけで楽器が生き生きと甦るような、爽やかなイメージさえありました。墓場といえば、明日公開される作品なんて運動会までやっちゃうんですから、暗いイメージだけじゃないですよね・・・

 もう一つ素晴らしかったのは効果音。水の音、鳥の音、虫の音・・・細かな音まで再現され、観客は次第に耳を凝らしていく。難聴になっていく効果音はもっと大胆に演出してもよかったのかもしれないけど、セミの音がヒグラシだったのが発見でした。全体的には無駄な部分が多かったし、疑問がいっぱい出てくる映画かと思います。手を握り、ぬいぐるみを置いただけで演奏が上手くなってしまうとか・・・780万の借金とピアノを売り払う関係とか・・・

【2007年4月映画館にて】

kossy
NOBUさんのコメント
2021年5月31日

おはようございます。
 たまに、パンフレットのシナリオが掲載されていることがありますね。
 最近だと、西川監督の「すばらしき世界」とか・・。
 当たり前ですが、小説とは違うので、面白く読んでいます・・。西川さんは小説も書きますが。

NOBU
NOBUさんのコメント
2021年5月30日

おはようございます。
 ご結婚されましたね・・。お幸せになって、菅野美穂さんのように、いつかまた映画館でお姿を観れたらなあ・・、と思っています。
 脚本を書かれていたのですか!
 今作の印象的なシーンは、ピアノの墓場のシーンです。
 印象深い昔と今とが繋がったシーンでした。

NOBU
NOBUさんのコメント
2021年5月30日

おはようございます。
 今作を映画館で鑑賞されたのですか!
 流石でございます。
 私は、成海璃子さんが好きでして・・。(”何人、好きな女優さんだいるんだ!””少なくとも100人はいるよ!”)
 彼女の意思の強そうな目と、気合が入った声が好きなんです・・。
 加賀百万石は、映画館大丈夫ですか?
 こちらは、青息吐息になってきました・・。

NOBU