恋しくてのレビュー・感想・評価
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屁こき兄妹、小便たれ少年、うんこ踏み男たちのバンド活動。ライバルは“ふとももファイブ”だ!
タイトルにもなっているBEGINの「恋しくて」という曲はカラオケへ行く度に歌ってしまうほど大好きな曲。イカ天キングとなったときも偶然テレビで見ていたのですが、このが素敵だと感じたのは1990年に放映された昼メロ『新金色夜叉 百年の恋』のテーマ曲として出会ったときでした。素朴でシンプルな作りながら、ブルース要素の入った旋律と“泣き”の入るようなフレーズがとてもいいのです。 この映画は、中江裕司監督がBEGINの曲にインスパイアされ、彼らの出身地と同じ沖縄県石垣島を舞台に作った青春映画。バンド活動を通して東京でオーディションを受けるまでの道のりは、もしやBEGINの自伝的映画なのかと疑ってしまうほどなのですが、まったくのオリジナルだそうです。しかも素人中心のキャスト。青臭いイメージもあり、映画としてはイマイチなのに、若気のいたりとも言うべきなりふりかまわぬ演奏が瑞々しさがあるのです。 闘牛であっさり負け、いきなり思い立つバンド立ち上げ。元々ミュージシャンの間に生まれたドラムス担当のセイリョウ(石田法嗣)だから音楽センスも抜群かと思うと、そうでもない。最初はギターのマコトはハチャメチャで、それをバックにに山本リンダの「狙いうち」を歌う栄順というトリオだったのだ。それでも楽しそうに演奏する彼らの姿はキラキラと輝いて見え、学園祭のオーディションに落ちても落ち込むことすらない。負けは負けとして、常に前向きに取り組む高校生には音楽の楽しさを教えてもらったような気さえしてくるのです。 かつてバンド活動をしたことのある人、またはこれから始める人、BEGINファン、三宅裕二ファン、そして沖縄映画が好きな人にはオススメできるのですが、一般ウケはよくなさそう。沖縄映画といえば、必ず登場するおばあの平良とみも健在。母親役として登場するジャズボーカリストの与世山澄子の魅力もたっぷり。そして、ヒロインの山入端佳美の魅力はたっぷりなので、彼女の今後の活動も気になるところ。
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