サンシャイン2057のレビュー・感想・評価
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豪華絢爛キャスト陣
オッペンハイマーをどうしても意識してしまいました😅
キリアン・マーフィー、真田広之、ミシェル・ヨー、クリス・エヴァンス、ベネディクト・ウォン、ローズ・バーンと、キャストの質の高さは折り紙付きです。
インターステラーを彷彿とさせるSF映画で、恐怖をひしひしと感じさせられます。劇中に挿入される“サブリミナル効果”がとても怖く感じました。
他方、雰囲気で誤魔化した感の否めないアクションシーンなどがクライマックスで多く見受けられ、何がどうなっているのか殆ど分かりませんでした。
とは言えラストシーンの魅せ方、終わらせ方に感銘を受けました。
価値ある作品です。一度観る価値は充分にあります!
個人的な生と人類の未来
太陽活動の低下によって氷に閉ざされた地球を救うべく、ありったけの核爆弾を搭載した宇宙船で太陽へと向かう8人のクルーたちの物語。次々と襲いくるイレギュラーに対してクルーたちが苦闘するさまが終始暗澹たる筆致で描かれており、『アルマゲドン』のようないかにもハリウッド的な感傷主義とは一線を画している。かといってクルーたちはシステマチックな冷血漢というわけでもなく、むしろ常に不安や人道的葛藤といったものに身を苛まれている。そうした個人的な懊悩を人類の未来という大義の前でいとも簡単に捨て去ることのできる彼らの姿には、一般的な人倫を超越したプロフェッショナル意識、すなわち人類全般としての自尊心のようなものが宿っていたように思う。
ことさら興味深いのは、地球への帰路が完全に断たれたことが判明した後もクルーたちが各々の役割を最後まで遂行したということだ。ここでアルフォンソ・キュアロンの『トゥモロー・ランド』という映画を引き合いに出したい。本作ではあるときを境に突然世界中の女性が妊娠しなくなってしまい、それによって世界中が荒廃の一途を辿っていく。よくあるアポカリプスもののような気もするが、それらとは少し事情が違う。本作には隕石落下や巨大地震といった「俺たちはこれから死ぬんだ!」という当事者性がない。子供が生まれなくなるのは確かにヤバいが、それによって自分が直接死ぬわけではない。にもかかわらず人々は狂い、争い、世界は終末論の色調を帯びる。
これは、人々が「個々人としての生」以上に「人類としての存続」のほうに重点を置いているという価値観を潜在的に有していることの示唆だ。なぜ子供が生まれなくなることで今現在を生きる人々が荒廃に陥るかといえば、子供が生まれないことが人類としての途絶を意味するからだ。
以上を踏まえれば『サンシャイン2057』におけるクルーたちの献身的姿勢も容易に理解できる。クルーたちは自分たちの生のさらに先に人類の未来というより大きな価値を見出していたのだ。それゆえ死のニヒリズムや絶望的な狂信(=ピンバッカーの太陽信仰)を打破することができたのではないか。
宇宙船が核爆発を起こす瞬間の眩いばかりの光、凍土の朝にぼんやりと差し込む陽光。それらは人類の未来の存続を高らかに歌い上げる。思えば作品全体を覆う陰鬱なトーンも、すべてはこのラストシークエンスに鮮やかなコントラストを与えるためのものだったのかもしれない。
一般的にはSFとして認知されているようだが、その語り口はどこまでもホラー映画的だ。イカロス1号の乗組員たちの写真がサブリミナル的に挿入されたり、カメラの焦点が絶えず合わなかったり、かなり意図的にホラーに寄せている節がある。さればこそピンバッカーの唐突な闖入にもあまり違和感がない。初めからホラー的側面を押し出していけばもう少し市井の評価も高かったんじゃないかと思った。
それにしても「SF描写の精緻さがホラー要素の嵌入によって台無し」みたいな感想が多くてやるせない気持ちになる。ジャンル性に固執して映画を見るのももちろんいいとは思うけど、そのジャンル性なるものが、隣接する他ジャンルとの相互干渉によってその輪郭を獲得しているということにもう少し自覚的になってもいいんじゃないか。「SFならこうあるべし!」みたいに自閉的/排他的にジャンルを守ろうとするとかえってジャンルの展望が先細ると思う。本作のような良作が「中途半端な凡作」として歴史の陰に埋もれていることがその証左だ。
ツッコミどころは多いが良作
SFとして見た場合の評価としては星3くらいなのだが、スペースパニック、オカルトホラー的な見方をした場合は星4くらいなのでこの星数とした。
悪く言えば欲張りすぎて要素がゴチャゴチャしてしまいとっ散らかった映画なのだが、全体の消化は成功しており中途半端な感じはしない。分かりにくい表現が多くあり演出もクドイが酷評するほどでもない。オチが少し弱いのが難点。
ツッコミどころは数多くあるが、ものとしては悪くない。
説明不足
前情報入れずに視聴。
「ザ・コア」みたいな感じかと思ったらあれれ?な展開にw
それはそれで構わないが太陽の復活(厳密に言うと代替品の作製)作戦自体がでっかい核をぶち込むていう安直なもの。
キャストは豪華なのにキャラ設定の説明不足の為、印象不足が否めない。
個人的には例の人物の行為の理由が分からない。
そもそもこんな大事な作戦、精神的に脆い人間ばっかり選ばれるのがおかしい…。
ダニー・ボイルめ…
「28日後…」のダニー・ボイル監督の本格的SF。太陽のエネルギーが衰退し、地球が寒冷化するという人類の危機を救うために、宇宙での無謀なミッションに挑む者たち…
あれ、「アルマゲドン」!?独特な作品を作るダニー・ボイルもとうとうベタベタなSFに挑んだのかと思った。
…しかし、やはり彼は彼だった。途中までは美しい太陽の映像を拝みつつ楽しんでいたのだが、船員の乗る「イカロス2号」の前に、行方知れずだった「イカロス1号」が現れたところから本題へ。「イカロス1号」の調査を終えた船員が「イカロス2号」へ戻ると、何故か船員が1人増えていた。…ここからホラー映画に早変わり。内容から察するに、ベタな作品にするよりかは新規の内容も取り入れたいと考えたと推測されるのだが、流石、ダニー・ボイルは期待を裏切らない。よってホラーが苦手な人には全く向かない作品に変わってしまったが、こんな予想外の展開でも意外と好きな作品である。しかし複数の事象を取り入れた結果、ややとっちらかった印象は拭えない。ラストもはっきりと分からなかったので、何を言いたいのかも理解に苦しむ。これだと好きか嫌いかで両極端に別れそうな作品だ。
宇宙のダイナミックさを描いた稀有な作品
太陽活動が鈍化したので地球上の核物質を全投入して活性化しに行く物語
ザ・コアみたいな展開でそりゃねえだろ、と思うが
ダニーボイル監督がやると一味も二味も違う
宇宙を舞台にした作品はあまり宇宙や天体がテーマにならない
大体未知との遭遇がテーマだ
この作品は太陽がテーマであり、その意味で非常に珍しい
途中からいきなりホラーになるので注意
SFとしては重力の描写が謎ではあるが
雰囲気は抜群
ダニー・ボイルによるSFだー
トレイン・スポッティング、28日後・・・のダニー・ボイル監督の新作、Sunshineです。「死にかけた太陽を蘇らせるために、人類の期待を背負い、まず帰還できないであろう太陽までの旅を続けるクルー。ある人為的ミスをきっかけに、いろんな歯車が狂っていく・・・。」というのがあらすじ。
リーダー役に真田広之。主人公は28日後・・・から続投のキリアン・マーフィー。ファンタスティック4の炎の男ジョニーを演じるクリス・エバンスも出演。映画の感想ですが、SF好きな人にはたまらない映画だと思います。閉鎖的な空間での狂気という「エイリアン」からの普遍的なテーマをダニーボイル流にアレンジした映画です。
真田広之がいい味出しています。そういえば、ジャッキーチェンのラッシュアワー3にも工藤夕貴と共に出ていましたし、最近、アジア系のいい男役として、結構出ていますね。もう47歳なんですが・・・・。
はて、どこかで観たような…?
太陽の異常により、滅亡の危機に瀕する人類。その危機を回避すべく、科学者たちがロケットに乗って太陽へ向かう…。う~ん、このストーリーどっかで観たことあるような気がするな~。
クオリティや、細かなストーリーは異なりますが、『太陽の危機=人類の危機を救いに行くミッション』という物語の骨格は、17年前に公開され大ゴケした映画と非常によく似ております。その映画とは知る人ぞ知る「クライシス 2050」(^^;(ああ、この映画についてまさか語る日が来ることになろうとは…)。『カタカナの後に数字』というタイトルの付け方まで一緒!まあでも今回の「サンシャイン 2057」の方が、遥かに出来はいいですし、何より良心的です。あ、「クライシス…」に関しては、これ以上触れません(^^;。興味のある方はネットで検索して、その“酷評ぶり”をご覧になってください。ちなみに吾輩はリアルタイムに映画館で観ました…(爆)。
SFXのクオリティも高いし、『デカイ宇宙船に、少人数のチームが乗り込んだら必ず悲劇が起こる』という法則(?)もキチンとクリア(??)されてます。何より真田さんを始めとしたアジア圏からキャスティングされた俳優たちと、アメリカ・イギリス系の俳優たちとのコラボレーションが、非常に上手く映画の中で描かれています。吾輩やはり日本人ですから、真田さんを応援してしまいましたよ。映画の中で彼はショッキングな結末を迎えるのですが、それまでのシーンも含めて、その存在感を我々観客に充分アピールしてくれます。いい役どころだったと思いますよ。
映画として、なかなか魅力ある作品に仕上がっているのですが、残念ながらこの映画、途中から“トンでも映画”な方向へ走り出してしまいます。ここら辺りが観ていて非常に残念で、結果観終わって『あ~あ!結局何だったのだ?』という思いに駆られてしまいました。何とも、勿体ないことです。
評価はちょっと難しい。
時代は今から50年後の2057年。太陽はその輝きを失いつつあり、太陽を復活させるべく、マンハッタンほどの大きさもある巨大な核弾頭を太陽に撃ち込む決死のミッションに赴くイカロス2号がその舞台。若干のネタバレありです。
うーん、サスペンスムービーなのか、パニックムービーなのか、あるいは何らかのメッセージムービーなのか。評価をちょっと迷うところです。地球環境が大きく変化している今日この頃の状況を考えると、地球を守ろうと言うメッセージが込められた映画と言う解釈も不可能ではないかもしれませんが、それにしては、ちょっとメッセージ不足。同じく閉鎖された宇宙船を舞台にしたと言う点では「エイリアン」に似ているともいえますが、この作品は「エイリアン」ほどドキドキはしません。でも、物語の最後クライマックスには、ちょっとドキドキするシーンもありますから、やっぱり、軽いパニックムービーなんですかね?
映画には、イカロス2号の乗組員以外基本的には出てきません。敢えて言えば、イカロス2号のコンピューターでしょうか。「スタートレック」然り、「2001年宇宙の旅」然り、この手の宇宙船には、宇宙船全体を管理するコンピューターと言うものはつき物なんですね。また、太陽に極限まで近づく宇宙船と言う設定なので、太陽エネルギーによる障害、困難さが出てきます。真田博之演じる船長のカネダが喪われてしまう件も、その一つ。それにしても、太陽エネルギーを遮るシールドとは、一体、どんなものなのでしょうか?
イカロス2号が舞台であることから判るように、その前のミッション、イカロス1号も存在しています。そして、そのイカロス1号が、今回の物語の進行に重要な役割を果たしているんですよね。
最後の地球の雪のシーン、遠景に見たことのある建物が出てきます。その時代の地球環境が、苛酷なものになっていることを象徴しています。最後のクライマックスには、ちょっとドキドキするかもしれませんが、全般的には淡々と進む印象です。その意味では、「ディープ・インパクト」に似ているかな。
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