劇場公開日 2007年4月14日

サンシャイン2057 : 映画評論・批評

2007年4月3日更新

2007年4月14日より有楽町スバル座ほかにてロードショー

“普通じゃない”ボイル流SF

時は2057年、宇宙船“イカロス 2号”に乗り込んだ男女8人のチーム。彼らは消滅しつつある太陽の近くで、核装置を発射し、ふたたび太陽を活性化させる重要任務に就いていた。設定こそ 16年前、観客の腰を抜かせたトンデモSF「クライシス2050」(もしくは「さよならジュピター」)に酷似しているが、ここにはジジイの孫探しのようなストーリーの破綻はない(もちろん、ユーミンの主題歌も流れない)。まぎれもなく、ダニー・ボイル最新作だ。

その理由は、3度目となるアレックス・ガーランドとのコラボレーション。壮大な宇宙が舞台といえども、「ザ・ビーチ」でのタイの孤島や、「28日後…」でのロンドン市街のような閉鎖的な世界として描かれ、そこでサバイブする人間の姿をクールに、残酷に描く。「11人いる!」なミステリアスな展開に始まり、極限状態からの恐怖を体験するのは、世界各国から集められたキャスト。たとえば、真田広之演じる船長に、「エグゼクティブ・デシジョン」のスティーブン・セガールばりの名誉ある撤退をさせ、乗組員のミシェル・ヨーには植物のケアばかりさせるといった、意外な展開を用意(ちなみに、この2人「皇家戦士」以来、20年ぶりの共演!)。「2001年宇宙の旅」「惑星ソラリス」「エイリアン」など、名作SFに敬意を払いつつも、せつなく美しいラストにはキッチリとアンダーワールドのテクノを流し、ケミカルな余韻を残す。このように決して感動を強制しないあたりも、“普通じゃない”ボイル流SFであるといえる。

(くれい響)

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