「格調高い女王の苦悩」クィーン シンコさんの映画レビュー(感想・評価)
格調高い女王の苦悩
ボーダー(境界性パーソナリティ障害)だったと言われているダイアナ元妃が、衝撃的な事故死を遂げて10年。
奇しくも心子もダイアナ元妃と同じ、享年36才でした。
(因みに今日は心子の月命日。)
主演のヘレン・ミレンは見事にエリザベス女王になりきった名演で、アカデミー主演助演賞を受賞し話題になりました。
本当に女王そっくりで、細かい立ち居振る舞いから存在そのものが正に女王でした。
一人の人間として生きるダイアナと、伝統を重んじる王室。
ぶつかることがあったであろうことも想像されます。
エリザベス女王は20代で即位し、その時から50年以上、常に国民のことを第一にし、自分のことは二の次にして生きてきたのです。
自分の感情を表に出すことはありませんでした。
けれどもマスコミは ダイアナの味方でした。
英国クィーンとしての尊厳を持ち続けながらも、国民の激しい怒りを目の当たりにし、女王は葛藤したのです。
国民なくして王室もあり得ません。
それは胸に迫る切実な苦悩でした。
格式高いクィーンの人間らしい生々しい感情を、ヘレン・ミレンが繊細に演じています。
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