東京タワー オカンとボクと、時々、オトンのレビュー・感想・評価
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感動しました。
だいぶ前の映画だけど、2020年12月31日にやっと見ました。はやく見とけば良かったなあ。いい作品でした。
冒頭のシーンで最悪の父親、小林薫が出てきて、なんだこりゃとは、思ったけど、作品が進むにつれて引き込まれました。
他のレビューも見てしまい、酷評してる人も見ました。理由が書いてないから酷評してる意味がわかりません。良い理由を教えてと書いてる人に、逆に何が気に入らないのか教えて欲しい。そこを書かないとレビューにならんでしょうが。映画ドットコムで再三思うけど感性の違いって本当に人によりありますよねー。
いろんな家族がいるけど、遺書みたいなノートを最後に読むけど、優しい息子に母親は救われたんだなと思いました。
樹木希林が息子を思う気持ちが伝わりました。卒業証書をもってきてという言葉。必死に働いて息子を卒業させた誇りなんですよね。自慢の息子なんですよね。
樹木希林の若い時を樹木希林に似た人がやっていてリアリティがありましたが、娘さんでしたね。うちだややこさん。
息子は高校、大学と堕落していたけど、途中から変わりました。そして人1倍母親を愛する気持ちを持っていた。幼少からの苦労してきた母親を見てきたからでしょう。
自分自身は親孝行なんて何もできていません。親には自分がいつも元気で笑顔でいる姿を見せることが一番の親孝行なのかなあ。仕事をしているマーくんをみると嬉しくなると樹木希林は言ってましたが、うちの母親は何を自分がしたら喜んでくれるかなと考えました。
もちろん父親にも孝行しないと。父親孝行も考えました。
映画の中で、最後に別れた父親小林薫がずっと一緒に居てくれて良かった。
闘病生活も予想できる展開でしたし、たいした見せ場も山も谷もどんでん返しも特別なものは何もありませんが、リリー・フランキーの自伝なんでしょうけど、親子愛は伝わりました。それだけで充分じゃないですかね。私は無条件に感動しました。
最後のエンドロールの福山雅治の歌もハマっていた。最後まで余韻を持つ事ができました。
いい映画に間違いないです。
樹木希林とオダギリジョーに拍手。
泣きはらしました 誰がどう言おうと傑作です
紛れもなく傑作だと思います
日本アカデミー賞受賞を巡るあれこれは他作品との比較の優劣であって、本作の価値が低い訳では決して無い作品であると思います
本作単体で評価すべきです
2005年原作出版、2007年本作公開
物語は1960年代前半頃から始まり、その現代で終わります
主人公はもちろんオダギリジョーが演じるリリー・フランキー自身です
しかし、その実描かれるのは彼の目を通した両親の人生です
両親は恐らく1930年代の末頃生まれのようです
この世代の人々が高度成長期を成し遂げたのです
団塊世代が社会人になったころにはそれは終わっていたのです
そして2005年から2007年頃はその世代の人々がそろそろ寿命を迎えつつある時代であったのです
東京タワーは昭和33年1958年に完成しました
父が建設中の東京タワーの前で写真を撮ったのはその前年のことでしょう
父は嘘か真か一級建築士のようです
若い時は東京で学んでいたようです
でも写真から真面目に勉強してなかったのは明らかです
上手くいかず田舎に帰って悶々とくすぶっていたのです
やっとその資格をとったのは、ボクが中学の頃のようです
劇中、父と母の馴れ初め、父のDV、別居・・・
母がそれらをどう受け止めて人生を過ごしてきたのかが語られます
淡々と過剰なドラマはなく、これといった事件も一切なく、抑揚はなく平坦に時は過ぎ去ります
時系列は現代や、過去の主人公のある時点から、あるきっかけをもって思い出したかのように行きつ戻りして次第に現代に近づいて行きます
普通の人の人生は、そうそう起伏のある人生ではないものです
この物語の方がよほど起伏が激しいくらいです
そうして何十年も経っていって、幼児だった自分は、物心もつき、記憶もはっきりして、思春期をすぎ、独り暮らしをして、気がつけば良い年の大人になって都会に暮らしているのです
若かった両親も何時しか、年をとるのは当たり前のことです
それでも、ある時ひさびさに田舎に帰ってみたらすっかり初老に変わっていてビックリさせられるものです
オカンが内田也哉子から、樹木希林にバトンタッチされたシーンにはその驚きの感覚が見事に再現されていました
私達は主人公のボクの目を通して、この両親の人生を追体験します
この二人はどんな人生を生きてきたのかを物語から読み取ること
その人生を自分のものとして考えられること
そうして自分自身の今までの人生と比較すること
何が同じで何が違うのか
オトンもオカンも同じ人間であり、青春があり、恋愛があり、結婚して、子供を育て、別居し、父の不倫も、母のよろめきもあり、そしていつしか年老いていく
それは自分も同じなのだと初めて気がつくのです
その気づきがなれれば、本作は全く退屈で苦痛な時間にしかならないでしょう
東京タワーは高度成長期を支えた人々が作り、見上げて来ました
あの高いてっぺんのように成功するのだという希望のシンボルです
そして時は流れ、本作の5年後の2012年に電波塔としての役割をスカイツリーに譲りました
今はバックアップ施設となり、観光用がメインとしての隠居の身です
ラストシーンは、オカンは父が上ることがなかった東京タワーの上に、息子が登らせてくれました
高い所からの眺めはさぞかし気持ちが良かったでしょう
この世代の人々の人生はこうして完結していったのです
このように一つの世代が終わり、次の世代、そのつぎの世代と世の中は移り変わって行くのです
オカンからミズエさんへの手紙にはなんと書いてあったのでしょう?
彼女は読み終わって涙顔になっています
オカンとはこの三人で東京タワーに登る約束でした
オカンは息子がミズエさんと別れたことは気づいていたに違いありません
ラジオのことを知っていたくらいです
次の世代をオカンは気遣っていたに違いありません
その後の二人がどうなるのか?
それは語られません
映画はそこで終わるからです
それは私達が紡いでいく物語だからです
オカンはそれでもオトンを愛していました
オトンが来ると聞くと髪がどうだとか大騒動です
オトンも別の女性と暮らしていたとしても、オカンを本当に愛しています
それがラストシーンに近づいてくると次第に明らかになって行きます
自分が愛しあっている両親から生まれたことを知ること
それは子供に取って最高の幸せだと思います
その事がオカンの二人への最高の遺言であったのだと思います
泣きはらしました
誰がどう言おうと傑作です
男の人は優しいなと思う。 私はたぶん、もっとドライでいられる気がす...
親孝行したくなる。
鯛の刺し身
昭和の時代を生き抜いた親子の愛の物語。東京タワーが思い出の象徴。病床から見える東京タワー。オカンの闘病生活とそれを支えた息子。親の介護というものはこんな感じなのか。うなされ、痛みに耐えてもがき苦しむ。それでも自分のことより息子の心配をする。親の子を思う気持は凄いと思った。真の親孝行は親になにかしてあげることは勿論だけど自分が立派な大人になることではないのかと思わされた。樹木希林も息子の仕事をしている姿を見ると落ち着くと言っていたし亡くなった日にも不謹慎だと思い仕事を控えていた息子が母の言葉を思い出し仕事をしたシーンなんかも象徴的。要するに私のことを気遣うより息子が頑張っている姿が母親にとってはなにより嬉しいものなのかもしれない。
母の愛は偉大
もう一度、泣けた。
私が今までで一番泣いた、大切な小説です。なので、イメージと違ったらやだなあと観ていませんでした。
原作2005年、映画2007年。もう10年以上経ったので、もう大丈夫だろうと思って観ました。
やっぱり泣けた。
最初は炭鉱の町で過ごす少年時代の話と、大人になってからの話が交互していて。
ちょっとわかりづらい所はあるのですが。
それぞれのエピソードが、地味ながらも最後につながっていく所が、ほろり。
私が原作を読んだ時にツボったのは、おかん=自分の母親に重ねていたんです。
それを今作では見事に再現してくれていました。
おかんの若いころに来ていた洋服、子供の時にうっすら覚えている母の服にすごく似てたし。
部屋にあった扇風機だって、一緒のような気がしてなりませんでした。
おかんからの仕送りをギャンブルに使ってしまうような、トホホな主人公。
オダジョーさんがぴったり。落ち着いた語り方もナイス。
そしてやっぱりおかんの樹木希林さんが、もうおかんそのもの!。
この話の裏主人公は、おかんなのです。子供が大きくなったって、おかんはおかん。
子供が落ち込んでいる時には、一番の味方になって励ましてくれる。
おかんの深い愛情をヒシヒシ感じたなあ。
監督は松岡錠司さん。他の出演者に小林薫さん、安藤玉恵さん、光石研さん、小島聖さん・・・?!。
「深夜食堂」(2015)のメンバーが何人も。他にもいたかもしんない。
他にもチョイ役がとっても豪華でした。リリーさんつながりかな。
母に捧ぐ、1本になりました。私の子供の時の事、もっと聞いておけばよかったな。
もっともっと、いろんな話をしたかったな。
原作を知ってるからなー
原作を読んで感動し、映画の方も気になるということで借りて観たが、はっきり言ってとてもがっかり。確かにあの原作を2時間で忠実に撮ることは出来ないかもしれない、だが原作を観ていない人たちをこの内容で満足させることが出来るだろうか。手抜き感というか、全体的な内容のスカが腑に落ちない鑑賞結果となりました。
実話に基づく親子愛
昭和
4.3
所詮男は全てマザコンである
こんな意見を耳にする事があります。
「所詮男は全てマザコンである。」
男って生き物はお腹を痛めて産んでくれた母親には頭が上がらない…と。
良作ですね。映画では主人公のボクがナレーションして行く事でストーリーが展開されていたが、いつも通り原作は未読の為にその辺りはよく分からないのですがね。
観る前は幾らベストセラーの原作とは言っても2時間20分以上もあると身構えていましたが、しっかりとした脚本に抑制された画面構成、出演者達の好演もあり非常に完成度は高くなっています。
泣かせ所も多いのですが実は前半から飛ばす様な事は無く、人間の感情を押さえに抑え、少しずつ積み上げていき最後に一気に感情を爆発…させません。
我々が普段親と暮らしている人も居ない人も何気なく過ごす日常を取り上げているだけです。
映画なのだから本来はもっとドラマチックに出来るものを抑え、抑えて、更にもう一つ抑えてゆく展開には感情移入をすれば間違い無く涙を、「長い」と感じる人には“退屈”の表裏一体、どちらにも変わり得る作品じゃないかなと思います。
ひょっとして松たか子の役はあの加藤○子だったのだろうか?
個人的には福山雅治の歌は要らないかも…。
(2007年4月22日TOHOシネマズ錦糸町No.1スクリーン)
せつな〜い ゆる〜い
松尾スズキ脚本だからなのか、小田切さんの口調がそうなのか、ゆる〜い雰囲気の映画になってました。
「もう可哀想としか言えないよ」ていう台詞がゆる〜く突き刺さる。
大泉洋さんのドラマ版も観たいなぁ。
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