「【オカンはいつも、溢れんばかりの愛をボクに注いでくれた。今作は今や邦画を代表するリリー・フランキーさんの多岐に渡る仕事をこなす背景と、オカンの息子に対する絶対的な愛を描いた作品である。】」東京タワー オカンとボクと、時々、オトン NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【オカンはいつも、溢れんばかりの愛をボクに注いでくれた。今作は今や邦画を代表するリリー・フランキーさんの多岐に渡る仕事をこなす背景と、オカンの息子に対する絶対的な愛を描いた作品である。】
■リリー・フランキーさんの職業を見ると驚く。
俳優、イラストレイター、声優、放送作家、エッセイスト、ライター、ミュージシャン、作詞家、作曲家、ラジオパーソナリティー、デザイナー、フォトグラファー、アートディレクター、絵本作家、小説家。
今作を見るとリリー・フランキーさんが九州の炭坑の町を出て、生きるために様々な仕事をして来た結果であろうと思う。
◆感想
■1960年代、飲んだくれのオトン(小林薫)に愛想を尽かし、幼いボクを連れて筑豊の実家に戻ったオカン。
時は流れ、上京したボクは得意の絵で食べていこうと一念発起し、がむしゃらに働き始める。
ようやく仕事が軌道に乗った頃、久々にオカンと連絡を取る。
・”ボク”が幼い時からオカンは“ボク”のために必死に来ていた過程。
(若きオカンは内田也哉子さん、中高年になってからは樹木希林さんの母娘が演じている点も絶妙に良い。)
・今作で秀逸なのは”ボク”を演じたオダギリジョーの抑制したナレーションで有ろう。
・オトンが、家を出ながら最後まで病に倒れたオカンの事を気にし、東京に出て来る姿も良い。
<今作は原作を読んでいた事も在り、観賞しなかった作品であるが、矢張り良い。
何故ならば、母が子を思う気持ちが見事に表現されている事と、母に甘えて生きてきた”ボク”が母を想い、様々な仕事をこなし、オカンの努力に報いようとする姿及びその結果、”ボク”が社会に認められる存在になって行く過程が見事に描かれている点である。
多くの有名俳優がカメオ出演している点なども、リリー・フランキーさんの人柄を感じさせる作品である。>
コメントする