「唄を忘れたペンギンは タップダンスを舞い踊る。 そんなオチってあり!?」ハッピー フィート たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
唄を忘れたペンギンは タップダンスを舞い踊る。 そんなオチってあり!?
歌うことが何よりも重要視されるコウテイペンギンの世界に生まれた、オンチだが天性のタップダンサーであるマンブルの冒険が描かれたアニマル・ミュージカルアニメーション。
監督/脚本/製作は『マッドマックス』シリーズや『ベイブ』シリーズの、名匠ジョージ・ミラー。本作によりオスカーを獲得!
主人公マンブルを演じるのは『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのイライジャ・ウッド。
マンブルの父親、メンフィスを演じるのは『X-MEN』シリーズや『プレステージ』の、レジェンド俳優ヒュー・ジャックマン。
マンブルの母親、ノーマ・ジーンを演じるのは『アイズ ワイド シャット』『ムーラン・ルージュ』の、レジェンド女優ニコール・キッドマン。
マンブルの友人である陽気なペンギン五人組”アミーゴス”の一員ラモンとカリスマ教祖として崇められているイワトビペンギンのラブレイスを演じるのは『アラジン』『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』の、レジェンド俳優ロビン・ウィリアムズ。
第79回 アカデミー賞において、長編アニメ映画賞を受賞!
第64回 ゴールデングローブ賞において、主題歌賞を受賞!
第32回 ロサンゼルス映画批評家協会賞において、アニメ映画賞を受賞!
『ベイブ』と『マッドマックス』、2つの看板シリーズを持つジョージ・ミラー監督。
前者は子供も楽しめるファミリー映画、後者は子供ドン引きなハードコア映画であるが、実はどちらも「過酷な環境に身を置く存在が自らの能力で道を切り拓き、最終的にはコミュニティ内の英雄となる」という点では共通している。
ジョージ・ミラーにとって三つ目の看板シリーズとなったこの『ハッピー フィート』もまた例外ではなく、主人公が極寒の地・南極を勇気とダンスでサヴァイブし、ついには仲間たちを導く英雄へと成長を遂げるという、実にミラー監督らしい作品となっている。
本作を鑑賞して強く思ったのは、ミラー監督のアクション演出の巧さ!!
海獣に追われたり雪崩に巻き込まれたりと、意外にもチェイス系のアクションシーンが多い本作。
さすがチェイス映画の金字塔『マッドマックス』を作ったジョージ・ミラーだけあって、これらのアクションシーンはどれもハラハラドキドキするような素晴らしい出来!
クローズアップとロングショットを巧みに使い分けることで緩急を生み出し、時にはマンブルの後を追いかけるカメラワークでスピード感を、時にはシャチやアザラシをフィーチャーし静的な恐ろしさを映画に刻み込む。とにかく、チェイスの面白さをとことんまで追求したアクションシーンの数々には大変心が躍りました✨
可愛いペンギンちゃんなんかには興味ねぇ!!という『マッドマックス』ファンにこそ観てほしい映画となっていると思います。
キャラクターデザインは、ディズニーのような擬人化されたものではなく割とリアル。
最初はリアルなペンギンが歌ったり踊ったりする様に面食らうが、だんだんと慣れてくる。
アニメになってもやはりペンギンは可愛いのである。特に雛の時のマンブルのモチモチ感が堪らんっ!😍すぐに成長しちゃうのが残念(にしても、この作品のポスターは詐欺もいいところだな💦)。
時代的にしょうがないとはいえ、やはりCGのクオリティは今見るとかなり古臭い。とはいえ、前述したようにアクションの出来は良いし、本作のキモでもあるマンブルのダンスには可愛いさと躍動感が上手くミックスされており、十分現代でも鑑賞に耐え得るものになっていると思います。
ギャグの切れ味もよく、特に瀕死のラブレイス連れ回しにはかなり爆笑させていただきました🤣
とまぁ途中まではかなり楽しんでいたのですが、このクライマックスはどう判断したものか…。
終盤唐突に『ファインディング・ニモ』(2003)みたいになっちゃって、「これ本当に終われるの?まさかのバッドエンド?それとも『2』に続く的な感じ?」なんて戸惑ったのですが、いやー強引に終わらせたね😓
1時間くらいその過程をすっ飛ばしたんじゃないかと思わせる、映画史に残るレベルにいい加減なエンディング。いくらファミリー向けのアニメだと言ってもこれはあかんのでは…。
まぁ、このオチの適当さもこの映画っぽいと言えばぽいんだけど。これにはちょっと驚きましたねぇ…。
事程左様に、オチにはかなり賛否両論あると思いますが、個人的には十分楽しませてもらいました♪満足です!
CGアニメはすぐ古くなってしまいがちですが、この作品は現代でも通用する可愛さ&面白さ!今の子供たちでも十分に楽しめると思いますよーー♪
※オスカー受賞作品ということもあり、かなり後続のアニメ映画にも影響を与えていると思う。
歌って踊る動物もの、かつオープニングがビートルズの「ゴールデン・スランバー」であるという点で『SING/シング』(2016)を思い出したし、外側の世界に実写の人間たちが存在しているというのは『LEGO ムービー』(2014)へと受け継がれていったのかな、なんて思います。
※※日本語吹き替え版で鑑賞。かなりクオリティの高い吹き替えで非常に良かった😊
マンブルやラブレイスの声は本職の声優じゃないな、とすぐにわかるのですが、その生々しい演技がキャラクターにピッタリでした。
ちなみにマンブルの声は今や懐かしの手越祐也くん。ラモン/ラブレイスはブラザートム。すごいチョイスだな💦
ただ、日本オリジナルエンディングはやはりいただけない。担当したNEWS(この頃は何人だったんだろう?てか今何人なんだ?)の楽曲の良し悪しよりも、こういうところに無理矢理タレントをねじ込んでくる事務所の姿勢が嫌っ!!
未だに残るこの「日本オリジナルエンディング」問題。まじ誰得なんだこれっ!?