ハッピー フィート : 映画評論・批評
2007年3月13日更新
2007年3月17日より丸の内プラゼールほか全国松竹・東急系にてロードショー
心を突き動かすタップの“群舞”が圧巻!
イルカ同士は人間並みに高等な言語で会話しているという。イルカがしゃべるならペンギンだって……。「ベイブ」でおしゃべりするブタを描いたジョージ・ミラー監督の新作は、“歌こそがすべて”の皇帝ペンギンの世界にあって致命的な音痴の主人公マンブル(声:イライジャ・ウッド)の大冒険を描くアニメーションだ。彼は歌はダメだが“幸せのパタパタ足(ハッピーフィート)”の持ち主で、リズミカルなタップダンスを魅せる!
モーション・キャプチャーによる、ペンギンのタップダンスというアイデアがすばらしい。飛べないが、歩き方がなぜか微笑ましく映るペンギンなのが最高なのだ。しかも「雨に唄えば」や「巴里のアメリカ人」のジーン・ケリーのような喜びを身体いっぱいで表現しているタップだ。やがてマンブルの“心のタップ”がほかのペンギンたちの心を突き動かし、“群舞”へとエスカレートしていくクライマックスは圧巻の一語だ──南極中のペンギンが一斉にリバーダンスするのを想像したまえ。
イライジャ・ウッドをのぞく、すべての俳優たちがペンギンの声をあてて、プリンスやEW&F、シナトラなどの名曲を歌っている。特にブリタニー・マーフィーの美声に驚いた。
(サトウムツオ)