「ちょっとこ馬鹿にしたシニカルな雰囲気」サン・ジャックへの道 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
ちょっとこ馬鹿にしたシニカルな雰囲気
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総合:65点
ストーリー: 65
キャスト: 70
演出: 70
ビジュアル: 75
音楽: 65
巡礼者は巡礼するのに宗教を信じていないし問題だらけ。登場する神父などの宗教関係の人々は必ずしも善人たちではなく、むしろずるい小人物ばかり。巡礼者だけでなく巡礼の主催側も真剣に巡礼を宗教的・精神的儀式とみなしていない。この状況でいったい何故巡礼なのか、これで得るものがあるのかと思ってしまう。
そんな皮肉に満ちたちょっとした馬鹿馬鹿しさが全体に溢れるのがフランス映画らしい。人間関係が悪かったり問題を抱えていれば、美しい風景も人の心に染み入り癒すことはない。こんな巡礼ではあるが、それでも結果的には人々に変化をもたらしたのは巡礼という行為そのものに力があるからだろうか。後半で同じような風景が前半と違って見えるのは、人の心が変化したからだろう。
でも前半で三人の兄弟がいかにも駄目ということがあまりに強調される前置きがかなりわざとらしかったので、これがこの旅で変化するのだろうなというのが最初に簡単に想像出来てしまった。その意味ではあまりひねりのない物語でした。
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