幸せのちからのレビュー・感想・評価
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とても良いお話だとは思うが…
個人的にはウィル・スミス出演作はあまり積極的に観てこなかったが、本作は職場のやり手中堅どころ男子のお勧めにて鑑賞。
うーん、期待して観てしまっただけに、全てが想定内でちょっと普通過ぎの印象。しかも、実の親子共演というのも観終えて初めて知っただけに、本作最大の観どころさえもうまく享受できなかったのはさらに残念…。
どん底からのサクセスストーリーは本来もっと盛り上がれるはずなのだが、本作は家族愛と苦境に焦点を当て過ぎたあまり、サクセスへのプロセスがぼやけてしまい、あまり熱くなれる感じではなかった。
自己啓発映画よろしく随所で心に刺さる名ゼリフもあったにはあったが、それにしても物足りない。「とても良いズボン~」にはこちらも本気で笑ってしまったが(笑)
家庭に仕事に死にものぐるいに頑張りぬいた主人公のとても良いお話しだけに、この程度の創り込みではちょっともったい気がしてならない。
【”幼い息子の為に、パパ物凄く頑張るの巻。”貧者から富める者へ。この話が実話なんだから、驚くよねえ。】
■1981年のサンフランシスコ。妻リンダと息子クリストファー(ジェイデン・スミス)と暮らすクリス・ガードナー(ウィル・スミス)は高級医療機器骨密度スキャナーのセールスマンとして生計を立てていた。
だが、仕事がうまく行かず、家計はドンドン苦しくなる。
愛想を尽かした妻に去られ、家賃の滞納でクリスは、自宅からも立ち退きを命じられてしまう。
◆感想
・クリス・ガードナーを演じるウィル・スミスが、兎に角、走る。車が行き交う中。地下鉄のホーム。凄いスピードで走る。
頻繁に盗まれる高級医療機器骨密度スキャナーを追い掛けて走る。
・妻に去られ、クリストファーと無料宿泊所に泊まるために行列に並ぶシーンを始め、アメリカの貧富の差を描きつつも、経済的弱者を護るセーフティネットワークがギリギリ機能している所をさり気無く見せるシーンの数々。
・一流証券会社の正社員になるために、半年無給で働くシステムも、如何にもアメリカらしい。そして、合格者はたった一人。
■勿論、クリス・ガードナーが正社員になるシーンは素直に感動する。だって、その前に一時間半近く、彼が苦闘する姿を見ているからね。
それにしても、クリス・ガードナーを演じるウィル・スミスが醸し出す明るいキャラクターには、救われる作品である。
でないと、前半はちょっとキツイよ。
ウィル・スミスの人柄の良さが出ている、証券会社での顧客獲得のために、電話を置かずにかけまくる姿や、忙しいのに上司に色々と言い付けられても、必死にこなす姿も良かったな。
<時折映される、幼きジェイデン・スミスの可愛い寝顔。親だったら、子供の寝顔を見て頑張ろうと思うよね。
今作は、アメリカ証券会社の厳しさや、社会の貧富の格差を描きながらも、親子の絆もキチンと描いている所が良いね。
嘘みたいな、ジェットコースターサクセスストーリーだけど、実話がベースなんだから、驚くよね。
さあ、明日からオイラも仕事を頑張ろうっと。>
自分のことのように嬉しい気持ちになる
人間辞めたい人、必見!涙なしには観れない名作!
主演のウィル・スミスは、主人公の感情を見事に表現しています。彼の演技力によって、主人公の内面の葛藤や成長を深く感じることができます。感動的なシーンや意外な展開が多く、観る者を引き込みます。物語の展開には感動や興奮が詰まっており、心を奪われました。
夢を守れ
実話をもとにし、 理想的な親子の姿にスポットを当てた 美しい作品。...
追い詰められた男の度胸
嫁さんはどうなったんや?
努力から生まれた成功物語
医療機器の売れない営業マンが金銭的に困窮して常に支払いに追われ、妻...
実話に基づくストーリー。 家族がいてけっこうハイリスクな仕事を選択...
時事に寄せ
第94回アカデミー賞(2022/03/27)でクリスロックに妻を揶揄されたウィルスミスが登壇してロックをなぐった。めずらしい画だった。異国のスターの出来事だが、なぜかとてもドキドキした。
その時事に寄せて、この映画のレビューをしているのだが、ウィルスミスはドラマチックなひとだ。
映画のなかのかれが、殴って/授賞して/泣いた現実のウィルスミスに重なってしまった。
それが言いたかった。
Seven PoundsやCollateral Beautyもドラマチック=劇的だった。おそらくKing Richardのスミスもドラマチックにちがいないが、とくにこの映画の逆境に耐える気配のウィルスミスをまんまあの授賞式に見た、のだった。
殴打事件はまだ進行中で沙汰止みの気配はない。日本でも日本的順序で変遷している。スミス氏ロック氏を殴る。→スミスかっけえと称揚される。→海外はロック擁護。→日本人軌道修正。→暴力ダメ絶対。←今ココ。
初期段階で吐いてしまった意見を世論や「外国様」の影響力で引き戻すことは日本/日本人ではよくあることではなかろうか。
当初日本人の意見で多数派だったのは「かっこいい」とのコメント。映画レビューに並ぶ「めちゃくちゃおもしろかった」のようにウィルスミスは「めちゃくちゃかっこよかった」と評された。
そのあと意識高い系の「海外は逆(ロック擁護)なんだよね」との報告が入って日本人はすこし納めて「やっぱ暴力はダメだろ」に転換した。
今後どうなるだろう。個人的にはスミスが責められてほしくない。この事件はスミスが負うひつようのない不遇を負ってしまった事件だった。病の妻をけなされたら、なんらかのアクションを起こさざるをえない。なんにもしないという選択がなかった。なにもしなかったら良心の呵責にさいなまれる。妻とぎくしゃくしてしまうかもしれなかった。脱毛症がGI言われるのって盲が座頭市言われるのとおなじ。海外ではロックのひるまなかったプロ根性が褒められているわけだけどインサルトジョークで相手を本気で怒らせてしまうのはプロじゃない。言われなくてもいいことを言われ、する必要のないことをした──スミスにたいする同情をきんじえない事件だった。
その試練の気配がこの映画のスミスに重なる。あれやこれやの厄災がふりかかってくるのを堪え忍んでついに社員に選ばれる。なぐって怒ったところから授賞して泣いたところがもろにかぶった。のだった。が、沙汰はまだ続きそうだがスミスと夫人に心の平安あれと思う。
貧窮からの成功譚は良しとしても証券会社というのが大いに引っ掛かる
どうも本作品の主眼はウィルスミス親子共演場面の過度な見せつけにあったんじゃなかろうか?と思えてならなかった。
宿泊にも困り、教会の施しにすがる場面などを何度も何度も見せるのは演出効果としては必要だったのかもしれないがいささかげんなり。(1.5倍速視聴でも冗長感はぬぐえず)
そして、晴れて証券会社に正式採用となったのはいいとしても、なぜ彼が20人中から一人選ばれたのかという強い説得力を持たせる描写が不足していたのでは??という不満も残る。
何より大きな懐疑点として主役が採用されたがっていたのが証券会社だったという点。
年代的にサブプライム問題が発覚する数年前のエピソードのようだが、主役が勤務する証券会社も〝脛に傷を持つ”やましいことをしていたのでは????という強い疑念と嫌悪感がべったりと残されることになった。
そんなわけで映画としては良い出来かもしれないが、共感という点では大きなマイナス。
子供はともかくウィルスミスの演技は見事だったとは思う。
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