リトル・ミス・サンシャインのレビュー・感想・評価
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泣いてしまいました。
基本的に「心温まる家族の絆・ロードムービー!」と言うような宣伝文句のついている映画を見て泣いたことがありません。なんというか薄っぺらかったり、感動させたいんでしょ?というようなものが多く・・。それ以来そういう文句の付いている映画をなんとなく敬遠していたところがあります。
これも最初はただ癖のありすぎる個々のいる家族の食卓から始まりました。なんでもかんでも勝ちにこだわる父、怒るとすぐにブチぎれる母、ドラッグと女の話ばかりする祖父、ニーチェに影響を受けて言葉を話さなくなった兄、天真爛漫なすこし太めの娘、そしてそこに自殺未遂をした母の兄が加わり・・。という感じです。
すぐにぶつかり、個々が違いすぎるせいでまったく会話がうまくなりたちません。そんな中娘が子供達のミスコンに出ることになります。
お話自体は特に変わった話でもなく、わかりやすく展開します。
けれど、その展開も無理があったり、見ている人に「こう感じてね」と押し付けるようなものは一切なく、とても自然です。
この映画の中で、家族の大人たちが皆、オリーヴによって変化していく様が素晴らしいと思います。それも「自然と」変化していく感じで、見ていても微笑ましく感じられます。皆なんだかんだ言ってもオリーヴのことをとても愛しています。
家族の中でオリーヴが一番、自分のことに一生懸命で、前向きなのですから。子供ながらのその姿に大人たちは動かされてしまうのでしょう。
最後の最後まで家族の絆は危ういのですが、ミスコンのシーンでは泣いてしまいました。
エンディングも、ハッピーエンドとは言えないのかもしれません。けれど、都合のいい感じではなく、「そりゃあそうなるよね。でもよかった。」と思わせてくれると思います。
ポンコツワゴンも家族の一員
美少女コンテスト、自己啓発本、ドラッグ、引きこもり、自殺未遂。アメリカ社会の歪みの「原因」ではないけれど「結果」が、てんこ盛り。
アメリカそのものがミスコンだ。美しくあれ、強くあれ、ゴージャスたれ、とみんなが勝者になろうとする。
しかし、多くは敗者だ。
我慢して考えすぎたり、つまらないものを守ってばかりいても、さみしい。
ちょっと傷ついて、でもあきらめないで、みんなもっと近寄って、人生なんて笑い飛ばそう!
家族って素敵。
よくできたアメリカコメディ
明るい不幸を集めた地獄へようこそ
総合70点 ( ストーリー:70点|キャスト:75点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:70点 )
しゃべらないことに決めたその家族の長男が、自殺未遂の後で家にやってきたおじに書く。「地獄へようこそ」。母親以外は見事に平均以下の変人・悪人ばかりが揃ったもので、確かにこんな家庭にいるのは地獄に感じる。まして逃げ場のないおんぼろ車の中で一日中過ごすなんて、普通な状態を期待していると耐え難い。地獄だと思って心の準備していないとやってられない。そんな家庭の個性的な面々を出演者が個性的に演じていた。
だがその地獄は決して苦しいばかりのものでもなくて、明るい雰囲気のために案外しつこくない。一番問題だった救いようのなさそうな爺さんは途中棄権させて、それぞれの人々も旅の途中でうまく問題に一区切りつけさせて、駄目は駄目なりに一からやり直させようという展望がある。個人としてでも家族としてでも、新しい一歩を踏み出せそうな希望の家路につく彼らに、見ているこちらもすっきりした。
オリーブが居るからきっと大丈夫
家族に色々いるのも良いもの
人には多様性が求められると言うけれども、多様性はそれぞれが内に秘めているものなのだと思う。
しかし自分を表出させるとなると人は受け入れていないものを出す事はできないのであり、多様性は何も受け方に偏るものでもないのではないかと思う。
言葉一つもそこに何を込めれるのか、受け入れる事ができていてもその発信する言葉に多様性を含める事ができるのかでその言葉の形は変わる。
ただ言葉に多様性を含ませる事が必ずしも正しいわけではない、言葉は発信の仕方次第で人を傷付けるものにも救うものにも変わる、その選択をできるのも多様性ではないだろうか。
多様性は器だけを指して言うのではない、器だけを広げればそこから出るものに多様性が含まれるのではない。
コメディというか…
ドラマ的な感じの方が多かったと思います!
自分的にはあんまり笑えるとは思えずストーリーの方に持って行かれました!!
ストーリーが良かったのでこの評価です(^-^)/
笑えて幸せになれるロードムービー
負け組家族がおんぼろバスで1120キロの旅に。
リチャードはすべてにおいて「負け組」「勝ち組」で括り付ける偏屈思想の持ち主。
いつもダンナさまの言動に飽きれながら子供達を愛する妻シェリル。
空軍のパイロットになることを祈願して9ヶ月間の無言の誓いを守り抜いているニーチェを敬愛する長男ドウェイン。
末娘のオリーブは子供のミスコンでに優勝する事を夢見ている。
老人ホームを追い出され、同居しているヘロイン中毒のリチャードの父。
この家族に仲間入りしたのが、シェリルの兄であるプルースト学者でゲイのフランク。
このバラバラ家族、末娘オリーブがカリフォルニアで行われるミスコンの出場資格を得た事から一家でカリフォルニアまでの旅にでる。
しかもぼろぼろのワーゲンのバスで。。。。
特に長男ドウェインと彼の叔父であるフランク…フランクはドウェインの気持ちをちゃんと知っています...この2人のさりげない交流が好きです。
子供に接する親の態度はとても大事なことです。
子供の多感な時期にしかも特殊な一家が長旅に出る事は子供の人生に置いて大きな出来事だろうな…
なんてすっかり映画に入り込んでいました。
映画の中の家族感がリアルなのか現実離れしているのかという感覚はなんとなくジョン・アーヴィングの小説の世界みたい。
長男ドウェインがフランクに言った「飛ぶなら自分で飛ぶ」と言うシーンが清々しい気持ちになった。
少し行き過ぎてるけど妙にリアル
ファミリードラマのエッセンスを凝縮して、それでいてありきたりじゃなく斬新で奇想天外なアイデアが詰まっている。
平凡だけどうまくいかない…まさに『現代に生きる悩める家族』がアビゲイル・ブレスリン演じるオリーヴのピュアな心によって少しずつ一つになっていく様をユーモラスに描いている心温まる作品。
アビゲイルの演技はまさに「リトル・ミス・サンシャイン」で素晴らしかった。
少し行き過ぎてるけど妙にリアルなストーリーを書いたマイケル・アーントの脚本もセンスに充ちている。
こういう作品が出てくるからこそインディペンデント作品は見逃せない。
「人生の勝ち組になるには!!」と熱く語るリチャードの授業には指を折って数えられるほどの人数、恋人の生徒を奪い取られたゲイのフランク、色弱でテストパイロットになる夢が叶えられないドウェイン、明らかにレベルが違いすぎるコンテストに出場したオリーヴ……
だけどそれがどうした!!そう思わせてくれる作品。
「負け犬って言うのは、負けるの恐れて挑戦しないやつのことを言うんだ。」作品のテーマが凝縮された一言。
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