「明るい不幸を集めた地獄へようこそ」リトル・ミス・サンシャイン Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
明るい不幸を集めた地獄へようこそ
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総合70点 ( ストーリー:70点|キャスト:75点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:70点 )
しゃべらないことに決めたその家族の長男が、自殺未遂の後で家にやってきたおじに書く。「地獄へようこそ」。母親以外は見事に平均以下の変人・悪人ばかりが揃ったもので、確かにこんな家庭にいるのは地獄に感じる。まして逃げ場のないおんぼろ車の中で一日中過ごすなんて、普通な状態を期待していると耐え難い。地獄だと思って心の準備していないとやってられない。そんな家庭の個性的な面々を出演者が個性的に演じていた。
だがその地獄は決して苦しいばかりのものでもなくて、明るい雰囲気のために案外しつこくない。一番問題だった救いようのなさそうな爺さんは途中棄権させて、それぞれの人々も旅の途中でうまく問題に一区切りつけさせて、駄目は駄目なりに一からやり直させようという展望がある。個人としてでも家族としてでも、新しい一歩を踏み出せそうな希望の家路につく彼らに、見ているこちらもすっきりした。
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