「最後に書かれた名前は?!寿限無・・・だったら大変だ。」デスノート the Last name kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
最後に書かれた名前は?!寿限無・・・だったら大変だ。
寿限無、寿限無 ごこうのすりきれ海砂利水魚の・・・あ、自分の名前が入ってる!とミサが大喜びしそう(もちろん妄想)。こんなの覚えられないよ~などと、死神の目を得た彼女は額に映る寿命と名前を記憶するだけで大変な作業なのです。途中、「記憶をなくすのは女の特技」とかいう台詞がありましたけど、ノートを部屋に忘れてきたら殺人も上手くいきません。やっぱり死神のノートの切れ端を常に携帯する夜神ライトが賢いのです。とはいっても、彼がとった方法は天才というよりも『ザ・カンニング』のようなずるい方法でした。
前編鑑賞時には原作を読まなかったのですが、今回は全てチェック済み。キラとLの頭脳戦を堪能しながらも、よくここまで考えついたものだと感心するにとどまりました。どうしても引っかかることが、Lをはじめとする捜査陣が人を自由に操って殺す事実は簡単に認めているのに死神の存在を知って驚愕するところ。そのオーバーリアクションだけはこの映画を観ても納得できませんでした。
メインとなっている(と勝手に思っている)監禁シーンはなかなかのものです。金子監督が撮りたかったのもコレに違いありません(戸田恵梨香最高!)。昔を思い出していたのでしょうか、『OL百合族』とか『宇能鴻一郎の濡れて打つ』とか『いたずらロリータ 後からバージン』といった金子監督作品を比較研究したくなってきました(決してエロ心からではなく・・・)。
この後編で良かったところは、Lにも人命軽視だと非難の言葉が浴びせられたり、ライトの間違った正義だとかを訴えていたことでしょうか。だけど、法律を作ったのが完全な人間じゃないことを強調していたところは蛇足気味。変えようとする人間だって完璧じゃないんですから・・・
それにしても場内は笑いがかなりありました。ひょっとこしてコメディ?とも感じられたのですが、原作を読んでしまったらそれほど笑えないのかもしれません。この笑い声のおかげで、お面を取ったときに「よっ、ひょっとこ前!」と心の中で声をかけたくなるのですが、そこまでいくと吉本新喜劇ですよね・・・
【映画館以来、久しぶりの鑑賞(21.8)】
今でこそ頻繁に登場するジェンダーの問題やセクハラ、パワハラ問題がこっそりと取り入れられていました。また、警察(厳密にはLの秘密組織)による違法捜査性や監禁という悪の体質などの問題提起、所有権放棄などのロジックな対決以外に面白さを確認できました。