劇場公開日 2006年11月3日

「人生で大事な物」手紙 かえる代理人さんの映画レビュー(感想・評価)

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5.0人生で大事な物

2016年9月10日
iPhoneアプリから投稿

映画の内容は、なんとも切なく、悲しく、どうしようもない不条理の中、人間の本当の温かみや、心揺さぶる存在というのはやはり何があっても自分の側に居てくれた人だという事を、上手く感じさせてくれるものだったと思う。

加害者の弟という複雑な心境、兄の罪も重いものであったが、兄が自分の学費のために働き体を壊し、体を治す解決策が無い中で、弟の学費のために仕方無し、それしか無いという状況下で行った強盗殺人。

弟は自分がどんなに社会で迫害されていっても、兄を責めることは出来ず、ただ1人で抱え込んでしまう。

迫害の末に辿り着いた家電屋での仕事、大事な人を過去の事実で失い、夢であった芸人も同理由で辞めてきた。

兄への怒りも凄まじい、自分のためにやってくれたとはいえ…とう葛藤の中、何もしてない青年が不条理に迫害され、傷つけられ、ぼろぼろにされていく。

諦めかけた彼に、家電量販店のお偉いさんがかけた一言に心が震えた。『君はここで生きて行くんだ』

炭鉱の頃からずっと支えてくれていた女性、ふと現れた人の世の中を如実に表す現実の言葉、そして主人公の諦めずに不条理と戦い抜いた記録。

ここまで心震え、涙したことは無い。
世の中はほとんど良くも悪くもない不条理のグレーな色で出来ている気がした。
何も悪くない人が、生まれ持って体が悪く働けないだけで迫害され、お金も無く辛く社会との関係も持てないがため、人間不信、そして自責の念に苛まれていく。
そんな事例は世の中に山のように溢れているんだろう。

良いも悪いも無い、自分の考えが全てで、頑張ってない奴はくそ、そんな考えに支配されては自分も他人も傷つける。

SNSが栄えた昨今、避けられない傷つき、一生ついて回る問題に出会った際、世の中の不条理を理解して生きることが大事なことかなと感じた。

この映画に、根が悪い人などただ一人として出てこなかったと感じたためである。

自身の中で人生観を大きく変える映画となりました、ご製作下さった皆様、本当に感謝申し上げます。

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かえる代理人
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