劇場公開日 2006年9月23日

「目が痛くなるほど泣けた。」もしも昨日が選べたら 銀平さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5目が痛くなるほど泣けた。

2011年4月30日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

笑える

楽しい

人生に「無駄な時間」なんて無い。

人は必ず老いる運命にある。
人生の長さは限りがある。
自分が死ぬ時家族に看取ってもらえる事は幸せな事だ。

コメディだと思って見たが、こんなに泣けるとは思わなかった。

あんなに美しい奥さんと愛し合っていて、子供は男の子と女の子がいて、二人ともパパの事が大好きで、お祖父ちゃんお祖母ちゃんとも仲良しで、なかなか出世は出来ないけどちゃんと仕事もしていて、主人公マイケルはとても幸せ者だ。

私は家族が少ない家に育ったので、マイケルの家族がとても羨ましい。

ああいう家庭で暮らす事が、人間にとって一番の幸せと言えるのかもしれない。でもマイケル本人は仕事や家族との付き合い等、いろいろ忙しさに追われて、その幸せにはなかなか気付けないのだ。

もっと家族と過ごしたい、そうすると仕事を減らさなければならない。
そしたら収入も減るし、今の生活が維持できなくなる可能性だってある。一家の大黒柱なら、そんな事は出来ない。
だから仕事を優先してしまう。そうこうしているうちに子供達はどんどん大きくなっていく。お父さんの立場というのは辛いものだ。

苦しい時も、楽しい時も、全部を含めて、人間に与えられた「命の時間」なのだ。
マイケルが面倒事を早送りして、やがてその過ちに気付き後悔する姿は、私にそう教えてくれた。

ある日マイケルがモーティから不思議なリモコンを貰い、この物語は始まる。

そんな「人生が劇的に変化する出来事」なんて、あるかどうか分からない。
死ぬまでに一度も起こらないかもしれない。
多少の苦楽はあっても、最後まで平凡な一生かもしれない。
でも、それでも人生は素晴らしいものなのだ。

世の中にたくさんある映画の中から、私が今日たまたまこの映画を選び、見た事だって、恐らく私にとっての人生の一つの財産になったのだから。

銀平