「う~ん、アンニュイ」薬指の標本 あんゆ~るさんの映画レビュー(感想・評価)
う~ん、アンニュイ
小川洋子原作の「薬指の標本」の映画化でございます。
展開はほぼ小説とおりで、色彩や質感は正直、この映画の方があると思う。女性が監督とのこともあり、なんとも言えない女ならではの世界観があります。
ストーリーは、前の仕事で薬指の先端を失い、新しい仕事を探しに港町に出た女が、標本を専門とする事務所の秘書を務めるという話。その事務所は変わっていて、お客が要望するものなら何でも標本にしてしまう。たとえば音でさえも標本に。頼まれたものは絶対に標本にするのです。思い出を標本にできるなら。。。そんな、実際にあったらちょっといいかもというありえない話を、いとも簡単にありえそうな話にするのだから、やはりこれは監督さんの力量なのでしょう。
どこかじめじめとしてて重たそうな映像世界は、それでも不思議にふわふわしている。そんな世界にベス・ギボンスのあのキッチュで無重力な音楽がぴったりくるんだ。理解してないのに心に残る作品です。「あたしを閉じ込めて」なんて、かなりくらっとくる表現です。
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