「真実を知る人の想いにはどうあがいても辿り着けない」出口のない海 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)
真実を知る人の想いにはどうあがいても辿り着けない
世界のどこかでテロによる犠牲者が出て‘聖戦’の言葉が使われる度に日本人にとって思い出してしまう悲しい過去の悲劇。
『出口のない海』はこれまでにあまり語られ無かった《回天》とゆう乗り物に関する事実を描写した小説を元にした作品で、これまでの戦争映画同様に家族や恋人との別れ、友人達との友情等を丁寧に描きながらクライマックスに持って行き観客の涙を誘おうとする作品でもあります。
とにかく監督が佐々部清なので舌を巻く位に上手いですね。ちょっと感傷的になりすぎるのが長所でもあり欠点でもある気がするのですが、知らず知らずの内に最後には泣かされてしまいます。
しかしながら当時の状況から如何にこの《回天》とゆうモノが必要であったのかとゆう“切迫感”が感傷的な画面からは一切伝わっては来なかった。
前日にTBSのドラマがあり(本編は未見)昼間に回天に関する裏話が放送されていた。
主にドラマの中のNG集だったのだが、実際に回天に乗った経験のある人や場所・施設、遺書らしき手紙や遺品を見せられて胸に詰まる思いを感じてしまった者としてはこの脚本と演出には深く入り込め無かった。いゃ、本当に上手いんですけどね…。
(2006年9月18日丸の内ピカデリー2)
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