「違うのよ、ハヤオが天才過ぎるのよ、、(マツコ風に)」ゲド戦記 Jolandaさんの映画レビュー(感想・評価)
違うのよ、ハヤオが天才過ぎるのよ、、(マツコ風に)
最近、金ローでやってたけど、そういえば昔知り合いにもらったDVDあったなぁ、と。約10年ぶり二度目の鑑賞。
うーん、、。『メアリと魔女の花』(まだ観てないんだけど;)で、あるライターさんが「二時間笑い(小ネタというかクスッと笑えるギャグ)無しはキツい」って確か書かれていて。確かにそうなんです。二時間笑い無しはキツいんです。 金貨をもらえなかったオバサン達がごねるシーンがあるけど、あの程度じゃ大して笑えません。
雄大な景色がパーンと開けて壮大な音楽、という演出に既視感。もののけ姫を思い出す。ラスト付近でラピュタと千尋を思い出す。クモの顔を見て、カオナシを思い出す。
原作未読なので、原作に忠実なんだよ‼…ともしも言われたら、確かに反論できないけど。
あとは、長い原作シリーズの真ん中?辺りだけを映画化されてるはずなので、シリーズ全部を読んでない人にも分かりやすいように、ある程度ハイタカ(ゲド)目線で描いた方がよかったのではと。アレンって、共感しにくいキャラじゃん。いきなり親父刺すし。
「生と死」みたいな抽象的なテーマって難しいんだよね、映像化したとき。映像でも舞台でもそう。具体的な台詞、人物、戦いに落とし込まないと、対岸の火事って感じで眠くなっちゃうの。
ル=グウィンの原作がいつ頃のものかはちょっと知らないけど、たぶん2006年に吾朗さんがアニメ化するまでの間に、父ハヤオさんはじめ色んな方がファンタジーアニメーションを作ったと思うし、時代と共に進化してると思うんだよなぁ。だから、相当、肉付けし脚色(要はアレンジ)しないと映像として弱い。制約があって脚色できなかったにしても、せめてテナーのキャラちょっと変えるとか、、個性なさすぎでしょ、、
ミヤさん(宮崎駿)が好きなのでついつい辛口になってしまいました。お父上を乗り越えたいっていうのは、何となく伝わってきますよね(冒頭とか)。多少古臭いところはあるものの、子どもと年寄りの描き方が抜群に上手く、思わず口にしたくなる含蓄のある台詞のオンパレード。ミヤさんは脚本がいいんです。 「刺さる台詞」、ナンテ難しい。そこまで皮肉っぽくはなりたくないんですけどね、既存のファンタジーアニメーションの表面だけなぞったような映画を観ると思うんですよ。やっぱりミヤさんてスゴいんだなって。