「やっぱり、ちゃんと、スパイク・リー」インサイド・マン にゃろめさんの映画レビュー(感想・評価)
やっぱり、ちゃんと、スパイク・リー
センス、テンポ、セリフも抜群。そしてアイデア。
極上のクライムサスペンスであることは疑いようがない傑作。
しかし、この映画をただのクライムサスペンスとしてだけ観ると後味が悪い。
強盗団の目的は?真の黒幕は?
あの人質は実は強盗の見方では?
などなど。完璧な銀行強盗計画を描いた映画的な粗。
それは、見終わったあと皆さまが解釈してね。
と、委ねている感じ。
それがこの映画のテーマ。
フレイジャー刑事(デンゼルワシントン)を招き入れ、内部を明かしたのは、
「おまえなら事件後、ちゃんと真相(本質)を明かすための捜査を委ねていいよな。」
という値踏み。
それが、伏線(映画内では回収されていない)。
それこそがこの映画の本質と思った。
ターバンを返せと騒ぐアラブ系の男。
服は脱ぎたくないとゴネるご婦人。
アジア系男性をキモイと決めつけるデカパイ。
ホワイトという名前の腹黒い高慢な女弁護士。
ナチスに加担して富を築いた銀行創業者。
人種差別問題が裏のテーマなのだろうか。
いや、スパイクリーはもっと深いところをエグっている。
ユダヤと戦争と金と、そして人種。
そんなこと委ねられても、答えなんか出せっこないじゃん。
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