劇場公開日 2006年7月15日

「吹替にて」ハイジ kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0吹替にて

2018年11月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 どうしてもTVアニメの『アルプスの少女ハイジ』のイメージで観てしまう映画ですが、犬のヨーゼフや小ヤギのユキちゃんがいなかったことに何か物足りない気分になった方が多いのではないでしょうか。そしてユキちゃんといえば「あ~あ越中、日本海みそ♪」というCMのフレーズを思い出してしまうのですが、『純情きらり』で松井かね役を演じている戸田恵子は八丁味噌のおかみさんです。ここでペーターが丸坊主頭で「おかあさ~ん」と叫んでいたら味噌三昧の映画になってしまうところでした。

 実写化したハイジの映画はこれまでも何本か作られているようなのですが、今回観たこの映画が実写映画初体験となりました。アルプスの山々は心を和ませてくれたのですが、長いストーリーを上手く2時間枠に収めるためでしょうかカットイン的な挿入がほとんどで、じっくり楽しむことができませんでした。しかし、ダイジェスト版のような作り方になっていても、皆が知ってるストーリーだからこそ感動できるのでしょう。なんだか巧みに感動させられてしまった気がします。

 それにしても、TVアニメの最も泣ける台詞「クララのバカ!弱虫!いくじなし!(でしたっけ?)」というハイジとクララの葛藤シーン。このときのクララの心理描写がとても良かったのですが、この映画にはありません。さぁ今から感動するぞ!という心の準備をする前に感動シーンが訪れてしまったのです。さらにペーターの嫉妬心も当然であるかのように描かれていたので、ちょっと残念です・・・もしかするとクララが萌えキャラではなかったためかもしれません・・・

 アニメではクララとセバスチャンが好きだったのですが、このセバスチャン役の若い俳優はなかなか良かったです。アルムおんじは『エクソシスト』でメリン神父役だったマックス・フォン・シドーというベテラン俳優だったので、かなりよかったですし、ロッテンマイヤーさんもチャップリンの長女が演じていたので安心して観ることができました。やはりクララがミスキャストか・・・

kossy