劇場公開日 2006年6月10日

やわらかい生活 : 映画評論・批評

2006年6月6日更新

2006年6月10日より渋谷シネ・アミューズにてロードショー

頑張りすぎない、ゆるゆるライフもいいもんです

80年代後半、一流大卒→総合職でバリキャリ(死語!?)まっしぐらな女性たちが登場した。寿退職なんてケッ、てなガッツで働いていたものの、努力が報われないこともしばしば。その後、女性の「私探し」が始まったのも当然の流れだろう。

寺島しのぶ演じるヒロイン・優子は、「私探し」の真っ最中だ。両親の死をきっかけに躁鬱病になり、一流企業を退社。金無し、職無し、男無しの崖っぷち女が何をしているかというと……出会い系サイトで知り合った中年男と痴漢プレイを楽しみ、立ち上げたサイトにアクセスしてきたうつ病のヤクザと語り合う。また大学時代の友人にED告白され、浮気相手にも捨てられた従兄弟に押しかけられ。ダメ人間たちとの関わりで、自身のダメな部分と向き合おうとする優子が実に健気だ。一見あっけらかんとしているが、内面は激しく葛藤する優子は難役だが、寺島が演じたことでリアルさが生まれたといっても過言ではない。

心に溜まったオリを取り除きながら、優子は孤独をも受け入れ、頑張らなくてもいいと気付いていく。やさぐれた風な優子をはじめオフビートな登場人物がそこはかとない可笑しさと哀しみを生み、ゆるゆるで生きるのもありだと思わせるのだ。

(山縣みどり)

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